それは偶然の出会い オグリにいざなわれた少女菜七子

[ 2019年2月8日 05:30 ]

サンダウン競馬場の馬場を歩く当時19歳の菜七子(撮影・平松さとし)
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 【競馬人生劇場・平松さとし】G1初騎乗が話題になっている藤田菜七子騎手。まだデビュー4年目だが海外からのオファーも多く、私も何度か、ご一緒させていただいた。

 武豊騎手と共に参戦したマカオや海外初騎乗となったアブダビも思い出深いが、中でも印象的だったのは幻の海外初騎乗となった英国での出来事だ。

 デビューした16年の8月の事だった。ロンドン市内の騎馬警官に目を丸くしていた当時19歳の少女は、サンダウン競馬場を訪れた。1周3000メートルの馬場を間けつ的に雨粒の落ちる中、歩いた。日本とは明らかに違い、芝丈が長くアンジュレーション(起伏)もきつい馬場だったが、これが初めての海外となる藤田菜七子騎手には比較材料がなく、ゆえに「この馬場ってどうなんですか?」と質問をしてきた。結果、騎乗予定の馬が放馬して除外になり、海外初騎乗はお預けになるのだが、海を越えただけでも経験値を増やしたのは間違いないと思えた出来事だった。

 そんな彼女が初めて競馬を知ったのは小学5年生の時だったという。高速道路で偶然見た車は、恐らく馬運車だったのだろう、横っ腹に“オグリキャップ”と書かれていた。帰宅後“オグリキャップ”なるものをネットで調べてみると、一世を風びした国民的アイドルホースだったことが分かり、以来、すっかり競馬に魅せられていったのだという。

 馬運車を見た偶然と、それがまたオグリキャップだったという幸運が彼女をこの世界にいざなったのだ。

 そんな彼女が冒頭に記したようにG1初騎乗を決めた。コパノキッキングによりフェブラリーSに騎乗することになったのだ。G1ジョッキーになれれば、彼女がオグリキャップを知ってこの世界に入ったように、藤田騎手の活躍を見てこの世界を目指そうと考える少女が出てくるかもしれない。現在、日本のどこかにいるであろう未来の“菜七子2世”のためにも、好結果が出るよう応援したい。=一部敬称略=(ターフライター)

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