蛯名、調教師試験に挑む!騎手と両立で合格目指す 19日1次

[ 2018年9月7日 05:30 ]

蛯名正義
Photo By スポニチ

 JRA通算2509勝でG1・26勝を誇る関東のトップジョッキー・蛯名正義(49)が、今年度の調教師試験受験を表明した。筆記テストが主な1次試験は今月19日に行われ、突破すれば、合否が決まる2次試験(11月27〜29日)へと進むことになる。今後もジョッキーとしての騎乗は続け、騎手業との両立で試験合格を目指していくことになる。

 蛯名が、今月19日に行われるJRAの調教師免許取得への第1次試験を受験すると明らかにした。武豊と同じ競馬学校3期生、87年デビューのベテランは「春先から自分なりに準備をしている。元気なうちに、エネルギーがあるうちにと思って、このタイミングで受験をしようと。馬主さんに“調教師にならないか”と言っていただけるのもありがたいですね」と話した。

 過去に調教師へと転身した騎手の多くは、現役を続けながらの受験を選択。今年から開業した武幸四郎(栗東)、田中博康師(美浦)も騎手業の傍ら、試験への準備を進めた。1次試験は全300点満点の筆記方式。競走馬に関する専門的なものから、労働関係基本法規に関する一般的知識まで、幅広い分野を問われる。蛯名は「勉強をしながら騎手という仕事を両立させるのは大変だと思うけど、頑張りたい」と意気込みを語った。

 G1初勝利となった96年バブルガムフェローの天皇賞・秋に、10年の牝馬3冠を独占したアパパネなど、日本の競馬史に多大なインパクトを残してきた同騎手。すぐに辞めるわけではない騎手については「ジョッキーとして乗ることは楽しいし、乗るのが楽しくなくなったとかそういうことではない。(受験で)周りに余計な気を使わせたくないし、引き続きジョッキーとしても頑張りたいので、(騎乗)依頼をお願いしたい」と心境を明かした。

 騎手による調教師試験受験前の公表は珍しく、そこに至った経緯については「ネットも含めて変な噂の伝わり方をするのが嫌だったので、こういう形を取らせていただきました」と説明。これまでに個性的な相棒たちと数々のG1を手中に収めてきた名手。その蛯名が調教師としてどんな馬を送り出すのか。それを考えるだけでファンの夢は膨らむ。

 ≪ボーダー180点以上≫第1次、第2次試験の合格点のボーダーラインは、第1次が全項目300点満点でおおむね180点以上かつ、各項目の成績がそれぞれ100点満点で40点以上。第2次は全項目500点満点でおおむね300点以上かつ、各項目の成績がそれぞれ100点満点で40点(200点満点では80点)以上となっている。

 ◆蛯名 正義(えびな・まさよし)1969年(昭44)3月19日生まれ、北海道札幌市出身の49歳。所属は美浦・フリー。87年3月1日、アイガーターフで初騎乗。同4月12日、ダイナパッションで初勝利。G1は96年天皇賞・秋(バブルガムフェロー)で初勝利。G1・26勝を含む重賞128勝。JRA通算20713戦2509勝(6日現在)。1メートル62、50キロ。

続きを表示

2018年9月7日のニュース