【新潟記念】ブラスト35年ぶり3歳馬V、秋主役へ堂々名乗り

[ 2018年9月3日 05:30 ]

大外一気で新潟記念を制したブラストワンピース(左)=撮影・村上 大輔
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 サマー2000シリーズ最終戦の「第54回新潟記念」は2日、新潟競馬場で行われ、ダービー5着以来3カ月ぶりの実戦だったブラストワンピースが1番人気に応えて鮮やかに差し切り勝ち。35年ぶり3頭目となる3歳馬Vを飾った。

 秋の飛躍を確信させる圧勝劇に、ブラストワンピースの鞍上で池添が喜びを抑え切れない。満面に笑みを浮かべて検量室前へ凱旋すると、ベストターンドアウト賞を受賞した担当の八木助手とガッチリ握手。「走るぞ!だいぶ良くなっているぞ!」。興奮気味にパートナーの成長力を絶賛した。

 83年のアップセッター以来、実に35年ぶりとなる3歳馬V。しかし、どちらが年長なのか勘違いするほどの横綱相撲だった。スタートは遅かったが、鞍上は慌てずに後方を追走。直線で大外に持ち出されると530キロの雄大な馬体を躍動させて急加速し、ノーステッキのまま豪快に突き抜けた。

 G3レベルでは格が違うことを証明するパフォーマンス。同時に、秋の大目標である菊花賞(10月21日、京都)に向けての収穫もあった。向正面でもたつき、池添がステッキを入れるほど落ち着き払っていたことだ。「滞在競馬の分もあるかもしれないが、ダービーの時より落ち着いていたのは確か」と大竹師。これだけ力まずに走れれば、淀の3000メートルでも折り合いを欠く不安は大幅減少した。

 さらに指揮官は「体も丸みを帯びた緩い状態で、イメージ通り。これから攻める余地がある」と、今後の上積みが期待できる状態での出走だったことを強調する。毎日杯からダービーへ直行するなど、脚元への負担を考慮して春から間隔を空けながら使われてきたブラストワンピース。師は「次走に向けて申し分ない競馬をしてくれた」と内容も満点評価した。

 当初の予定通り、同馬は福島県のノーザンファーム天栄へ移動。2番人気で5着に終わったダービーの雪辱を狙う3冠最終戦へ直行する。「もっともっと良くなる馬。菊花賞は何としても欲しいタイトルなので、僕もしっかりと頑張っていきたい」。充実感あふれる表情で汗を拭いながら、池添は7週間後の大一番へ静かに闘志を燃やしていた。

 ◆ブラストワンピース 父ハービンジャー 母ツルマルワンピース(母の父キングカメハメハ)牡3歳 美浦・大竹厩舎所属 馬主・シルクレーシング 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績5戦4勝 総獲得賞金1億1714万8000円。

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