雷神が帝王を止めた!モレイラ 的場との初対決制し地方初勝利

[ 2018年8月1日 05:30 ]

<アーバンステージ文月賞>スノードリームでレースを制したモレイラ(左手前)(撮影・沢田 明徳)
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 今秋にJRA騎手免許試験を受験することを表明しているジョアン・モレイラ(34)が31日、TCKで地方競馬初参戦。10RのJRA交流競走「アーバンステージ文月賞」で2番人気スノードリームに騎乗し、中団から伸びた的場文男(61)騎乗のアムールブランを外から差し切った。同日の9Rで地方競馬7149勝目を挙げていた的場の日本タイ記録王手を阻止。「雷神」と「帝王」の“初対決”は、「雷神」に軍配が上がった。

 短期免許で先月28日から騎乗を開始し、JRAの札幌2日間で計7勝を挙げたモレイラ。勢いそのままに、「雷神」の異名を持つ世界的名手が初参戦の大井競馬場でも魅せた。10R。4角ではまだ9番手にいたスノードリームが、直線大外からグングン脚を伸ばす。2馬身前にいた「大井の帝王」的場も相棒のエンジンを点火すべく激しく体を躍らせたが、並ぶ間もなく一気にかわすと、逆に2馬身差をつけてゴールした。

 「正直に言うと、2着が的場騎手だとは気付かなかったが、彼ほど多く勝っているジョッキーは世界にもなかなかいない。一緒のレースに騎乗できたのは非常に光栄だし、良い経験だった」

 スタートでつまずき後方からのレースになったが、残り600メートルから早めにスパートをかけた。ポジション取りが重要な大井コースで出遅れを見事にリカバリーする好判断。「馬場のコンディションも良かったし、大井はフラットで乗りやすい。地方競馬初勝利はとてもエキサイティング。楽しかったからまた来たい」。満面笑みの名手はファンの声援に手を振って応えた。

 「今日はたまたま自分の馬が強かっただけ。ぜひまた、レジェンドと一緒に競馬ができることを楽しみにしている。次に一緒に乗るときには、(地方競馬日本最多勝利)記録を達成しているだろう。応援しています」

 同じジョッキーとしてやまない尊敬の念。的場との再戦に思いをはせ、モレイラは熱く粋なエールで締めくくった。

 ◆ジョアン・モレイラ 1983年9月26日生まれ、ブラジル出身の34歳。00年に同国で騎手デビュー。09年よりシンガポールに拠点を移し、10年から4年連続リーディング獲得。13/14年シーズンから香港に移籍し、翌シーズンから3季連続でリーディング獲得。香港では「雷神」「マジックマン」の愛称を持つ。日本では15年に第1回WASJ(ワールドオールスタージョッキーズ)優勝。16年8月27〜28日には札幌で日本タイ記録となる騎乗機会7連勝を達成。JRA通算147戦45勝(31日現在)。1メートル65、53キロ。

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