【細原・騎手で獲る 特別編】2日阪神11R 栗東滞在効果てきめんのマルターズアポジー

[ 2018年6月2日 08:00 ]

 19度目の挑戦で悲願のダービージョッキーに輝いた福永騎手。スタンド前のウイニングランでは“祐一コール”に何度も拳を握りしめ、勝利の喜びを噛みしめていた。「福永家の悲願でもありましたからね」。目に涙を浮かべてのインタビューは感動的なシーンだった。一方で6着に敗れたダノンプレミアム。鞍上の川田騎手は真っ先に福永騎手へ駆け寄り握手を交わした。

 「2400メートルを我慢して一生懸命に走ってくれた。ゴールしてすぐに止まったぐらいで、あれが精いっぱいの競馬でした」

 ジョッキーとして1番人気に応えられなかった悔しさは当然ある。それでも互いに馬の全能力を出し切り、最高のパフォーマンスをしたうえでの結果。人間性を含め騎手としてリスペクトする先輩の悲願を祝福したい――。ゴール板を過ぎて自然に出た行動だった。

 馬も18頭なら騎手も18人しか立てない特別な舞台。ギャンブルとしての競馬ではなく、互いの健闘を称え合うスポーツとしての競馬がそこにあった。

 鳴尾記念(阪神11R)は◎マルターズアポジー。輸送減りを考慮して早めに栗東入り。その効果はてきめんで中間は飼い葉食いが落ちず、その分攻めた調整。最終追いのCWコースはラスト1F11秒8(6F81秒8)と余力十分に好時計をマークした。開幕馬場で56キロは好材料。同型ヤマカツとの兼ね合いがポイントだが、テンの速さはこちらが上。逃げたら怖い巧腕・武豊騎手に全権委任だ。単複メイン。馬連は相手トリコロールブルー、ヤマカツライデン、タツゴウゲキへ。

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2018年6月2日のニュース