【神戸新聞杯】レイデオロ快勝 ダービー馬の貫禄、進化は続く

[ 2017年9月25日 05:30 ]

神戸新聞杯で直線差し切って勝利したルメール騎乗のレイデオロ(左)
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 菊花賞(10月22日、京都)トライアル「第65回神戸新聞杯」は24日に阪神競馬場で行われ、1番人気のダービー馬レイデオロが2馬身差の快勝。始動戦で好スタートを切り、ジャパンCへ弾みをつけた。鞍上のルメールはサトノダイヤモンドで挑む来月1日の仏G1「凱旋門賞」へ最高の形となった。2着キセキ、3着サトノアーサーの3頭に優先出走権が与えられる。

 ダービー馬が一段とたくましくなった姿で帰ってきた。レイデオロはスッとスタートを決めて4番手へ。

 「ゲートが速かったのでビックリ。それでも道中はリラックスしてたし、馬が大人になっていましたね」

 ルメールも目を丸くする。序盤は多少の力みがあったが、向正面で折り合いピタリ。3角すぎから徐々にピッチを上げ、直線入り口で肩ムチ2発を入れてスパート。すぐに手応えを感じた鞍上にそれ以上のアクションはない。馬なりで悠々抜け出すと、最後は次を見据えてステッキを2発。まるで追い切りのような競馬で、2着のキセキ以下を2馬身差ちぎった。同レース3連覇の鞍上は笑顔でパートナーを称える。

 「返し馬から凄く乗りやすくなっていた。久しぶりだったけど追い切りで気持ちが入って、今日は楽に勝てた。コンディションはまだ100%じゃない。次はもっと良くなると思う」

 前走は鞍上の好プレーもあり世代の頂点へ。皐月賞馬アルアインがセントライト記念で敗れたこともあり、春の実績を額面通り受け取っていいか疑義が呈されていた。しかしレイデオロが堂々たる競馬で、改めて世代のトップであることを証明した。藤沢和師は「ひと月ばかりの稽古で、思ったより時計が出なかった。随分と、のんびりしていたから心配していたんだよ」と語る。馬の成長を第一に、無理をさせない調整がダービー馬の走りを進化させた。次走はジャパンC(11月26日、東京)だ。

 「パドックは張り切っていたけどレースは落ち着いていたし、競馬も上手になっていたからね。古馬との対戦でも力まず走れれば」

 同じ藤沢和厩舎では02年覇者シンボリクリスエス(ダービー2着)が、ここを勝って天皇賞・秋1着→ジャパンC3着→有馬記念1着と“スター街道”を歩んだ。偉大な先輩の背中を追うレイデオロの挑戦は、まだ始まったばかりだ。

 ◆レイデオロ 父キングカメハメハ 母ラドラーダ(母の父シンボリクリスエス)牡3歳 美浦・藤沢和厩舎所属 馬主・キャロットファーム 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績6戦5勝 総獲得賞金3億7777万8000円。

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