【有馬記念】武豊が語る…キタサンブラックは「超一流の域」

[ 2016年12月20日 05:30 ]

武豊が実力を高く評価するキタサンブラック
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 有馬記念にはこの人の名がなくては!今年デビュー30周年を迎えた武豊騎手(47)はJRA通算4000勝達成、海外G1制覇など円熟味を増した技術で大活躍。その原動力の一つとなったのがキタサンブラックとのコンビ結成だ。天皇賞・春とジャパンCを勝った時には自らの手拍子で、北島三郎オーナー(80)が♪まつりだ、まつりだ、キタサンまつり――と歌声を響かせた。有馬記念も「まつり」の場と化すか。ユタカが有馬記念を前に、キタサンブラックの魅力と核心をスポニチ本紙に語った。

 【確信】以前のキタサンブラックは人気先行型だったけど、今ではG13勝馬にふさわしい貫禄と実力が備わっている。外から見る立場だった3歳時と、コンビを組むようになった今年の上半期3戦(大阪杯2着→天皇賞・春1着→宝塚記念3着)は「持久力」が最大の武器という印象だったのに、今はそれにプラスして速い脚がある。秋2戦(京都大賞典1着→ジャパンC1着)で確信できました。

 【速い脚とは】ジャパンCの勝因が「単騎逃げ」や「スロー」との見方には反論も同調もしません。特別に僕が光る騎乗をしたとも思っていない。ただ、キタサンブラックの上がり3ハロンのラップに注目すれば、「速い脚」を理解してもらえるはず。(残り600メートルから200メートルずつを)11秒2〜11秒4〜12秒1を逃げている馬が刻んだんだから、追い込み勢はお手上げ。本来の持久力に加えて速い脚を使えるようになったことを証明していませんか?表現を換えれば「MAXの脚」が以前より格段にアップ。大きな武器が一つ増えました。

 【ジャパンCレース回顧】一にも二にも北島(三郎)オーナー。G1の表彰式ともなれば、観客のみなさんは馬券を外れた人でも祝福してくれるムードがあるけど、ファンが一体となったあそこまでの空気感を醸し出せるのは、北島オーナーの所有馬だからこそ。キタサンブラックは勝つ時は常に接戦だったのに、あの時は2馬身半もちぎった。なんでだろう?キャラが変わったのかな?

 【有馬記念】世界で最も馬券が売れるスペシャルなレース。「年の瀬に最後の勝負」という人がいれば、全くのビギナーもいる。それぞれの気持ちを胸に抱いて馬券を買って、レースで興奮してほしい。僕は過去にオグリキャップ(90年)とディープインパクト(06年)で2勝。もっと勝ちたいけど、この2頭のレースに関しては、年月がたっても色あせていない。「あの年の有馬記念に感動してこの世界を志した」という競馬関係者の声を聞くと影響力があったんだと素直にうれしい。

 【中山2500メートル】このコース・距離にフィットする馬がいれば、逆にそうじゃない馬もいる。キタサンブラックはイメージとして問題ない。むしろ歓迎。というか、どんな条件でも活躍できるし、最適という舞台があるなら僕が教えてほしいくらい。それくらい隙がない。これはコンビを組んだ過去の名馬で経験があることだけど、超一流になれば強さの秘けつを科学的に分析されることがある。心臓の機能とか心拍数とかね。キタサンブラックはその域に達したようで、最近はそういった視点の取材を受けることもあります。

 【最後に】 これは強調しておきたい。種牡馬ブラックタイドの価値と種付け料(15年150万円→16年300万円)まで高めたのだから、凄い孝行息子です!

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