【函館記念】ミラノ圧逃劇!丹内 悲願の函館重賞初Vで故郷に錦

[ 2016年7月18日 05:30 ]

函館記念を制しガッツポーズで喜ぶ丹内騎手

 サマー2000シリーズ第2戦「第52回函館記念」が17日、函館競馬場で行われた。先手を奪った3番人気マイネルミラノが押し切り、デビュー34戦目で重賞初制覇を達成。騎乗した北海道函館市出身の丹内祐次(30)は昨年3月マーチS(マイネルクロップ)に続く重賞2勝目。地元の函館競馬場では悲願の重賞初V。ミラノで挑んだ昨夏の同レース8着の雪辱を果たし、故郷に錦を飾った。

【レース結果】

 まるでG1さながらの熱狂ぶり。丹内がマイネルミラノを引き連れて堂々と逃げ切るとすぐには引き揚げず、1頭でターフを独占した。正面スタンド前を万感のウイニングラン。何度も何度も左手でガッツポーズをすると場内のボルテージは最高潮に達した。

 「いいぞ、丹内!!」

 実家は函館競馬場から歩いてすぐの湯川町。函館記念挑戦5度目、函館重賞騎乗12度目。地元重賞制覇の瞬間を誰もが待っていた。湯川中在学時、JRA函館競馬場乗馬センターの函館乗馬スポーツ少年団で育んだサラブレッドとの縁。

 「中学の時から地元で重賞を勝つのが夢でした…。うれしいです。G3だけど(函館で)勝ったらウイニングランをしようと思っていた。最高です」。デビュー13年目の30歳は新人のように目を輝かせ、感激に浸った。

 雪辱を見事果たした。2番人気に推された昨年は8着。先手を奪ったが、前半5F58秒6のオーバーペースで自ら沈んだ。今年は水分を含んだやや重で、昨年より遅い同60秒0の絶妙ペース。丹内は「昨年は自分の失敗。スタートも良かったし(同型オツウの)北村友くんも控えてくれた。今年は4角までためていこうと…。リベンジできて良かった。馬に助けられました」と愛馬に最敬礼した。

 相沢師が常呂町(現北見市)出身なら、ミラノ担当の荒木助手は釧路市出身。北海道トリオの結束が実った。相沢師は「最高にうれしい。でもアイツ(丹内)が一番うれしいだろうな」と柔和な顔で切りだした。

 続けて「5F60秒で遅いなあ…と。うまく乗ってくれた。馬場も含めて条件もそろった。正直2000メートルは長いと思ったけど長くなかったね」とニッコリ。コツコツと34戦走った愛馬と鞍上の巧プレーを称えた。

 ミラノの今後はご褒美のミニ放牧を挟み、札幌記念(8月21日)か新潟記念(9月4日)へ。指揮官は「札幌か新潟かはオーナーサイドと相談して。サマー王者を狙います」と誓えば、故郷で錦を飾った丹内は「もっともっと盛り上げていきたい」とキッパリ。夢をかなえた“函館のヒーロー”の夏は、さらに熱さを増していくはずだ。

 ◆マイネルミラノ 父ステイゴールド 母パールバーリー(母の父ポリッシュプレセデント)牡6歳 美浦・相沢厩舎所属 馬主・サラブレッドクラブ・ラフィアン 生産者・北海道新冠町ビッグレッドファーム 戦績34戦7勝 総獲得賞金1億9173万9000円。

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