【きさらぎ賞】素質が違うロワアブソリュー 最少キャリア2戦目Vへ

[ 2016年2月5日 05:30 ]

好調のM・デムーロが手綱を取るロワアブソリュー

 西のクラシック候補生が激突する京都メーン「第56回きさらぎ賞」は見応え十分の好カード。だが、半世紀を超える歴史で1戦1勝馬の勝利は一度もなく、新馬勝ちからの参戦は“鬼門”のローテ。今年はそのデータの壁に2頭がチャレンジ。ロワアブソリュー、ウルトラバロックはキャリアが浅い分、未知の魅力が詰まっている。

【きさらぎ賞】

 徐々に出来上がりつつある牡馬クラシック戦線の勢力図を塗り替える可能性を秘めた存在だ。昨年12月に阪神芝1800メートルの新馬戦を2馬身半差で快勝したロワアブソリューが中7週で参戦。自己条件ではなく、キャリア1戦で重賞へ。「能力を感じているし、重賞でも好勝負になると思うから使うことにした」。この起用に対する須貝師の意図は極めて明快だった。

 確かに新馬戦のレースぶりが重賞級の潜在能力を感じさせた。スタート後、ジワッと行き切って前半1000メートルを63秒5で通過。上がり3F33秒8の末脚を繰り出し、決め手勝負で他馬に付け入る隙を与えなかった。序盤はいくらか折り合いに苦労するなど粗削りな面もあって「気性も体も“お子ちゃま”だけど能力で勝ってくれた」と笑顔で回顧。ゆったりローテを組んだことで間違いなくいい方向に向かっている。

 「成長をうながす狙いもあって少し間をあけた。まだ幼い分、伸びしろが大きくて新馬戦の頃よりセンスのいい走りになっている」。将来性には血統の裏付けがある。かつて須貝厩舎に在籍していたディープインパクト産駒の半姉シュプリームギフトはUHB賞勝ち、京阪杯3着、函館スプリントS2着など芝1200メートルで活躍。「お姉ちゃんとはまた違ったタイプで長めの距離が合っている。両親のいいところが出ているんだろうね。何とかクラシック路線に乗せていきたい」。距離適性に違いはあっても、ゼンノロブロイ産駒の弟も母系の良さをしっかり受け継いでいる。

 ゴールドシップ、ジャスタウェイといったG1馬を輩出した須貝厩舎の現3歳世代はアドマイヤエイカンが昨夏に札幌2歳S勝ち、ロジクライが年明けにシンザン記念勝ち、イモータルが昨秋のサウジアラビアRC2着などオープン馬がズラリ。師は「エイカンやロジクライに続いてほしい」と力を込める。このレースをデビュー2戦目で制した馬は過去にいない。歴史に名を刻む最少キャリアVを目指す。

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2016年2月5日のニュース