【札幌2歳S】ラヴアンドポップV3へ態勢万全!物おじしない実戦型

[ 2015年9月2日 05:30 ]

調教では目立たないが競馬で良さを見せるラヴアンドポップ

 6月にスタートした2歳戦線もいよいよ本格化。「第50回札幌2歳S」はデビュー2連勝中のラヴアンドポップに注目。調教では目立った動きを見せない“実戦型”が、V3へ万全の臨戦態勢を整えている。

【札幌2歳S】

 厩舎棟の片隅に咲く花に競走馬を例えれば、2通りのタイプがあるという。朝の調教で動いても、昼の競馬になるとしぼんでしまうアサガオ、朝の調教でしぼんでいても昼の競馬で開花するヒルガオ。

 「うちのはヒルガオでしょうね。調教では目立たないけど、競馬に行って良さを見せますから」。ヒルガオが花弁を固く閉じている朝の札幌競馬場。ラヴアンドポップを担当する安田翔助手は調教騎乗を終えると、笑顔で切り出した。「走る馬は背中が良くて、調教でも乗り味が違ったりするものです。でも、この馬はそういう凄さを感じさせずに、競馬で結果を出してきた。まれなタイプです」

 重馬場のデビュー戦では横一線の叩き合いを最内から首差抜け出した。6番人気の低評価をあざ笑うかのような並外れた勝負根性。「実はその翌週にデビューする予定でしたが、道悪でもノメらないので(降雨の天気予報を見て)1週早めて出走させた」という。

 続くコスモス賞ではしぶとく伸びて、競り合いを頭差制した。7番人気の下馬評を覆し2連勝。「(3、4コーナーで)ペースが上がったときにモタつきながら直線で盛り返してくれた。(調教の感触から)最初はダート馬かなと思っていたが、心臓がいいんでしょう。何メートルあっても同じペースで走れる」。札幌の洋芝適性を示す直前のパドックではソワソワしたライバルの中で古馬のような落ち着きも見せた。

 朝には咲かず、昼の競馬で開花する。同助手は「実戦でいい理由は…」と少しだけ脳裏を巡らせて「物おじしない気性だからでしょう」と続けた。「前走は栗東からの輸送で目に見えない疲れがあったのか、おとなしかったのですが、札幌滞在で覇気が出てきました。今度も昼に咲いてほしいですね」。3連勝で重賞の花弁を広げるヒルガオだ。

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2015年9月2日のニュース