【桜花賞】ローデッド 川島、知り尽くした血統で初タイトルへ
15年クラシック第1弾「第75回桜花賞」の出走馬、枠順が9日、決定した。賞金1100万円3頭の抽選は2頭が出走。良血ディープインパクト産駒ローデッドは見事その抽選を突破して12番スタートとなった。手綱を取るのはこの血統に縁がある川島。パートナーの力をフルに引き出し、大一番での“ひと仕事”を虎視たんたんと狙っている。なお、同レースの馬券は11日から前売りする。
【桜花賞】
G1出走に懸ける思いが通じた。賞金1100万円組による出走抽選は3分の2。ローデッドがこれを突破してゲートインにこぎ着けた。投票所に駆け付けた川島は加納助手とガッチリ握手。笑顔を交えて意気込みを伝えた。
「家の神棚の前で手を合わせて入るように祈っていました。入って良かったです。枠も後入れの偶数枠だし、12番ならちょうどいいところだと思います」
川島にとっては思い入れのある血統だ。半姉オースミハルカはかつて川島が所属していた安藤厩舎(07年7月で解散)に在籍。重賞4勝のうち、3勝(クイーンS2勝、府中牝馬S)が川島とのコンビだった。
「お母さんのホッコーオウカは種馬によく似た子を出すんです。だから、きょうだいでもみんなタイプは違いますね。オースミハルカはきっぷのいい逃げが持ち味だったし、オースミグラスワン(新潟大賞典2勝)はしまいの切れ味が武器。ローデッドはディープインパクト産駒らしい素軽さがあります」
川島が初めてコンビを組んだのは3走前の中京芝2000メートル未勝利。スタートで後手を踏みながらもスッと好位に取りつき、しぶとさをフルに引き出して初勝利を挙げた。2着スピリッツミノルがその後、未勝利→梅花賞→すみれSと3連勝を飾って来週の皐月賞へ。相手関係を考慮しても中身の濃い勝利だった。
オースミハルカが産んだオースミイチバンは川島とのコンビで兵庫チャンピオンシップ、ダイオライト記念と重賞を2勝、現3歳オースミラナキラは先々週に川島を背に未勝利を6馬身差で快勝した。ホッコーオウカからつながる血は今も勢い十分。安藤厩舎の頃からこの一族に携わり、川島と親交が深い佐藤助手は相性の良さを強調する。
「この血統に乗るときの川島は“3割増”のような感じ。目の色が違うし、並々ならぬ思いが伝わってくる。勝ったときもしみじみと本当にうれしそうに引き揚げてくるんだよ」
久々の前走フラワーC5着から中2週。水曜の最終追い切りは川島がまたがり、坂路4F57秒5~12秒6。「しまい重点の指示。ラスト2Fの走りが良かった」と状態の良さを確認。12年前に姉オースミハルカが6着に敗れた桜の大舞台で妹が波乱を巻き起こす。
◆川島 信二(かわしま・しんじ)1982年(昭57)11月24日、東京都出身の32歳。01年3月デビュー。JRA通算5204戦268勝(9日現在)。重賞はオースミハルカの3勝に加え03年小倉大賞典(マイネルブラウ)、12年函館2歳S(ストークアンドレイ)の計5勝。1メートル59、B型。
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