【桜花賞】ココロノアイ 小さな牧場で受け継がれてきた“奇跡の血”

[ 2015年4月7日 05:30 ]

 ココロノアイの生産牧場であり馬主でもある酒井牧場(北海道浦河町)は、61年ダービー馬ハクショウなどを輩出した名門。ココロは、そこで大切に引き継がれてきた血統。87年牝馬2冠馬で曽祖母マックスビューティが残した産駒の中で、唯一の牝馬がマックスジョリー。だがジョリーは初子を出産してすぐ、中子宮動脈の破裂で死んだ。「立ち上がることも、子をなめることもできなかった。あの時のことを思い出すと、今でも涙が出てくるんです」と3代目の酒井公平氏(69)。

 命と引き換えに生んだのが、ココロの母ビューティソングだった。体の大きい産駒が多かったソングに、小さいステイゴールドを掛け合わせて生まれたのがココロ。脚が曲がっていたため、牧場名義で所有することになったが「成長するにつれ、脚が治っていった。走る馬というのは、自分の力で良くなっていくんですね。馬には申し訳ないけど“信じられない”という気持ち」(酒井氏)と驚きを隠せない。

 生産馬のクラシック出走は93年マックスジョリー以来22年ぶりで、オーナーとしては初めてとなる。「家族とは最初で最後かも、と話しているんです。使うからには勝ってほしいと思うけど、“無事に”というのが一番」。家族経営の小さな牧場から、スターへの階段を駆け上がることができるか。

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2015年4月7日のニュース