【NHKマイルC】ショウナンワダチ、戴冠へ万全“イメージ通り”

[ 2014年5月9日 05:30 ]

北村宏を背にショウナンワダチ(手前)はルミニズムと併せて追い切り、本番へ順調な仕上がり

 「第19回NHKマイルC」の木曜追いが8日、美浦、栗東トレセンで行われた。美浦組ではニュージーランドT2着のショウナンワダチが主戦の北村宏を背にWコースで力強い走りを披露。2戦2勝の東京マイルでの大一番に向け、万全の態勢を整えた。同レースはこの日、ピークトラムなど3頭が抽選を突破、メンバーが確定。9日に枠順が決定する。

【NHKマイルC】

 息の合った走りが人馬の絆を物語っている。ショウナンワダチは先週に続いて北村宏を背にWコースでルミニズム(3歳500万)を追走。適度に気合が乗り、それでいて我慢は利いている。直線は内に入っていっぱいに追われ、5F66秒8~1F12秒7で併入した。

 先週は大きく先着した相手にこの日は併入止まり。だが、陣営は気にも留めていない。北村宏は「出られるなら前に出ていいと思ったが、向こうも動きが良くなっていた。落ち着いていていい動き」と前向き。大竹師も「相手はもともと動く馬。しっかり負荷を掛けたかったので相手をこの馬にした。イメージ通りの稽古ができて感触はかなりいい」と満足げに話した。

 デビューから2連勝。だが、初めから順風満帆だったわけではない。入厩当初は人間の指示に従わず追い切りも動かなかった。そこで陣営はじっくり時間をかけて人間との信頼関係を築き上げていった。デビューから手綱を取り続ける北村宏は「2連勝でいい素質を見せたが、そこから変わってきてくれたところがいい」と強調。デビュー当時は素質だけで走っていたのが、今はそれに人馬のコミュニケーションが加わった。鞍上は「弱点が減ってきた。まだ遅いけれどスタートも出られるようになったし、怖がりな面もマシになった」と確かな成長を感じ取っている。

 調教時間帯の後半に行われた北村宏の会見には途中から大竹師が忍び込み、会見を終えた主役が「気付かなかった」と驚くシーンも。師が「宏司に任せているので頑張ってください」と言うと鞍上は「頑張ります」と照れ笑いで応じた。この日のワダチ同様、適度にリラックスして好気配だ。

 前走・ニュージーランドTは同じショウナンカンプ産駒で同馬主のショウナンアチーヴに鼻差で惜敗したが、今度は2戦2勝の東京マイル。2人も「前走より条件はいい」と口をそろえる。まだ粗削りだったベゴニア賞でロサギガンティアなど強敵を退けた逸材が、得意舞台でさらに進化した姿を披露する。

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2014年5月9日のニュース