【有馬記念】SR吉田代表“オルフェに最高のフィナーレを”

[ 2013年12月17日 05:30 ]

 有馬記念が引退レースとなるオルフェーヴル。3冠、逸走、大敗、復活、そして2度の凱旋門賞2着。波瀾(はらん)万丈のドラマを演じてきた希代の名馬のラストランを関係者はどんな思いで見つめるのか。オルフェーヴルと深く関わってきた、サンデーレーシング代表の吉田俊介氏(39)を直撃。

 オルフェーヴルはクラブ法人サンデーレーシングの所有馬。募集価格は6000万円(40口=1口150万円)だった。G1馬ドリームジャーニーの全弟として注目される一方、当時はまだ父ステイゴールドの評価は今ほど高くなかった。吉田氏は「人気はまあまあという感じ。ジェンティルドンナのように育成段階から飛び抜けていたわけではないですし、実際にデビュー直後は何度も負けましたから」と話す。

 レースを重ねて力をつけスプリングS以降は連戦連勝で3冠馬となった。クラブの馬だけに賞金面などを考えれば勝算のない海外遠征はできない。だが、この馬ならやれる。そう確信した。「菊花賞の祝勝会で凱旋門賞の話をさせてもらいました」。そして2度の挑戦。ともに会員の半数近い20人弱がフランスまで応援に駆けつけた。最も思い出深いレースには最初の凱旋門賞(12年)を挙げる。「これは勝てると思わず立ち上がったのですが…。レース後は声もかけられなかったと会員さんに言われたほどでした」と振り返る。

 有馬記念当日に引退式を行う。ディープインパクトが有終の美を飾って引退式に臨んだのは06年。「あの時は本当にきれいでした。ああいう形になれば最高ですね」と理想のフィナーレを思い描く。ノーザンファーム空港牧場場長も務める同氏。有馬記念にはノーザンファーム生産馬も6頭出走予定だが「今回はオルフェーヴルだけを見ると思います」。万感の思いを胸に、そのラストランをしっかりと目に焼きつける。

 ◆吉田 俊介(よしだ・しゅんすけ)1974年(昭49)4月13日、北海道出身の39歳。98年ノーザンファーム入社。04年ノーザンファーム空港牧場場長。07年からサンデーレーシング代表を兼務。父はノーザンファーム代表の吉田勝己氏。趣味は海外サッカー観戦、好きな選手はメッシ。

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2013年12月17日のニュース