【マーメイドS】畠山吉師 大知マイネオーチャードで恩返しVだ

[ 2013年6月7日 06:00 ]

新タイトルを狙う畠山吉師

 競馬の世界に憧れる人はまず騎手を志すのが大多数。だが、畠山吉宏師(50)は、幼少期から調教師になることを夢見てきた。母方の祖父は静岡県清水で造船業を営みながら、馬好きが高じて青森に「青森牧場」を開場。カネケヤキ(64年オークス)、カネヒムロ(71年オークス)、カネミノブ(78年有馬記念)などの名馬を生産した。

 オーナーブリーダーだった祖父にかわいがられた吉宏少年にとって、調教師は身近な存在。「当時の調教師は威厳があった。格好よかった」。学校が休みになると祖父の牧場に遊びに行き自然と馬に親しんだ。小学生の頃、デビュー前のカネミノブにまたがったのは忘れられない思い出だ。日本獣医畜産大(現日本獣医生命科学大)に進学すると授業もそこそこに、近くにあった東京競馬場の乗馬センターに通った。二本柳、根本厩舎の調教助手を経て、調教師試験に合格したのは99年。受験7回、36歳で夢をかなえた。

 「馬を少しでも長く使えるように。無事是名馬」をモットーに00年の開業から14年目の今年、マイネルホウオウでNHKマイルCを勝ちG1初制覇。「所属でもないのにずっと調教を手伝ってくれた(柴田)大知で勝てたのがうれしかった」。初勝利も初重賞(04年共同通信杯マイネルデュプレ)も初G1も「マイネル」。今週のマーメイドSにも大知の手綱でマイネオーチャードを出走させる。「開業当時からお世話になっている馬主さんで相性がいい。ありがたい存在です」。絆を胸に新たなタイトルを狙う。

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2013年6月7日のニュース