【フェブラリーS】ブラックヒル カールの法則でジンクス破り

[ 2013年2月13日 06:00 ]

初ダートでの走りが注目されるカレンブラックヒル

 ダートの猛者が集結した、13年G1第1弾「フェブラリーS」(17日、東京)で、ひときわ異彩を放つ存在がダート未経験のカレンブラックヒル。昨年のNHKマイルCを無敗で制した芝G1馬が史上5頭目となる芝・ダート両方でのG1制覇を狙う。これまで初ダートが中央ダートG1だった馬は21戦全敗だが、陣営は手応え十分だ。

【フェブラリーS】

 で、ダートでどうなのよ?カレンブラックヒルのポイントはその1点に尽きる。初黒星を喫した天皇賞・秋(5着)以来の実戦だが、平田師は「状態面に不安はない」と断言。ますます、焦点は絞られる。

 師は「爪の形や体形も含め、ダートが駄目だという要素は一つもない」と手応えをにじませる。デビューから手綱を取る秋山のトーンはもっと高い。「調教で馬場が悪くてもバランスが崩れない。芝の道悪も平気。見た目以上にパワーがある」と解説したが、何より信用しているのがその傑出した能力。84年ロサンゼルス五輪で4冠を達成したカール・ルイスを引き合いに出して、こう続けた。

 「ルイスは100メートルだけでなく200メートルと走り幅跳びでもスペシャリストを下して金メダルを獲った。能力が違ったということ。カレンもそういうことができるんじゃないか。ベストの1600メートルなら、芝からダートに替わったからといってパフォーマンスは落ちないと思う」

 初ダートで大敗するケースの多くは「モマれて砂をかぶる」ことだが、その心配もない。舞台となる東京ダート1600メートルはスタート直後が芝。NHKマイルCを逃げ切ったカレンならスッと前につけられる。

 これまで初ダートでフェブラリーSを勝った馬はいない。ジャパンCダートで初ダートに挑んだ6頭も全て掲示板(5着以内)を外した。それでもその可能性があった馬はいた。たとえば、初ダートの武蔵野Sと続くJCダートを圧勝したクロフネ。同馬を手掛けた松田国師は「仮に初ダートがJCダートでもたぶん勝ったでしょう」と振り返った上で、一般論として「初ダートでG1に出られる馬は、それだけ賞金を持っている、能力の高い馬。能力で何とかしてしまうかもしれない」と話した。

 「ダート適性うんぬんより能力でこなしてくれるのでは。どんなレースができるか楽しみ」と秋山はどこまでも前向き。逃げ切り不可能とされていたNHKマイルCで史上初の逃げ切りVを飾ったカレンにとって、ジンクスは破るためにあるのかもしれない。

 ≪ロス4冠、9個の金≫カール・ルイスは84年のロス五輪で100メートル、200メートル、男子400メートルリレー、走り幅跳びの4種目に出場し、全て金メダルを獲得。史上2人目の陸上4冠を達成した。地元・米国での開催ということもあり、ルイス一色の大会となった。ルイスはその後も88年ソウル、92年バルセロナ、96年アトランタ五輪に出場し、計9個の金メダルを獲得した。

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