【ヴィクトリアM】6歳エンゼル「今が一番充実」

[ 2012年5月9日 06:00 ]

馬房でくつろぐグランプリエンゼル

 【G1ドキュメント=8日】全休日明けの栗東、岡崎の足は矢作厩舎へ向いた。先週水曜日、グランプリエンゼルの1週前追い切りにまたがった三浦が「凄く状態がいい」と言っていたのが気になっていたからだ。

 前走の高松宮記念を最後に引退する可能性もあった6歳牝馬。常識的に上積みは考えにくい。だが担当の柿崎助手のコメントは、いい意味で予想を裏切った。「確かに繁殖入りを考える時期。ただ、高松宮記念の内容が良かったし、このまま引退するのはもったいない。競走馬として、今が一番充実しているから」

 一昨年10月のオパールS以来白星から遠ざかっているが、昨秋以降の安定感は特筆もの。京阪杯とオーシャンSが2着。高松宮記念も0秒3差6着。ヴィクトリアMは2年連続の参戦だが、昨年4着は惨敗を続ける中での挑戦。状態のいい今年は昨年以上の成績を期待できる。

 あとは距離だ。これまでの9連対全てが6F戦。一見スプリンターだが…。「最近は(勝ち馬に)届かないにしても最後まで伸びている。NHKマイルCでも3着があるし、今ならマイルはむしろいいかも」

 うがった質問にも笑みを浮かべて切り返した。ふと隣の馬房を見ればオセアニアボスの姿が。京王杯SCに出走する7歳の古豪も同助手の担当馬だ。「今年はエンゼルにしてもボスにしても、その他の担当馬にしても2着が多いんです」。今週こそは。一見優しい目の奥に勝負師の鋭い光があった。

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2012年5月9日のニュース