【ヴィクトリアM】フミノイマージン、経験の強み

[ 2012年5月9日 06:00 ]

<ヴィクトリアM>巻き返しを期すフミノイマージン

 春の最強牝馬を決する「第7回ヴィクトリアマイル」。経験豊富な6歳フミノイマージン陣営はスムーズな競馬での巻き返しを誓った。

 若い世代に負けてたまるか。6歳馬フミノイマージンはここ目標に理想的なローテーションを歩んできた。

 年明け初戦に本番と同じ東京マイル戦(東京新聞杯)を選択。牡馬強豪に果敢に挑戦した。直線勝負に懸けたが、ラスト300メートルで前をカットされる致命的な不利。そこから立て直して追い込むと4着まで追い上げた。牝馬にとって酷量56キロを背負いながら、上がり3Fは最速の33秒3をマーク。ミッキードリーム(6着)、フレールジャック(7着)などの重賞勝ち馬に先着した。

 本田師は「前が開かなかった。すんなりと流れに乗れていれば突き抜けていた」と悔しさをにじませた。ただ、ヴィクトリアMの過去6回の勝ち馬は、前2走以内に牡馬とレースでぶつかっていたというデータがある。牡馬相手に戦った経験は大きなアドバンテージだ。

 前走の阪神牝馬S(3着)ではG1のペースに対応すべく、短距離戦(1400メートル)の速い流れを経験させる狙いがあった。最後は豪快に伸びたが、またしても不利。前にいたマルセリーナが外によれて進路を失った。「あれで審議にならないのはおかしい」と憤慨する指揮官。2戦連続の消化不良に「とにかくスムーズな競馬ができるかだけ」と語気を強めた。

 現6歳は既にターフを去ったブエナビスタ、レッドディザイアがいるハイレベルな世代。その中でイマージンが頭角を現したのは昨年の春から。指揮官は「以前は腰の状態が良くなかったし、レースを使うと筋肉が落ちていた。だが長期休養を取って心身共に成長。トモ(後肢)は丸くなってきたし体つきが全然違う」と晩成型の愛馬に目を細めた。

 最後に「邪魔さえされなければ、どうにでもなるさ」と言い切った本田師。その目は騎手時代、テイエムオーシャン、カワカミプリンセスとのコンビでG1を手にした時のように鋭い光を放っていた。

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2012年5月9日のニュース