【天皇賞・春】クレセント“一新”初の12秒台

[ 2012年4月27日 06:00 ]

<天皇賞・春>和田を背に、坂路で追い切るナムラクレセント

 「第145回天皇賞・春」の枠順が26日、確定した。木曜追いでは昨年の3着馬ナムラクレセントが制御の利いた絶好の動きを披露。激走の予感が漂う。同レースは27日、ウインズ新橋、後楽園で午後2時から7時まで金曜発売を行う。

 これが、本当にナムラクレセントなのか?イメージ一新の走りに報道陣も驚いた。坂路で緩やかにスピードを上げると、2Fすぎは首をリズミカルに使って加速。最後まで脚取りは衰えることなく駆け抜けた。4F53秒0~1F12秒9。

 騎乗した和田からは笑みがこぼれた。「僕が乗った中では一番の追い切り。いつもなら最後はアップアップだけど、前半のタメも利いたし、首を使ったのも初めて。この感じなら、競馬もイメージできる」

 今までのクレセントといえば、コース入りを拒否した上、いざ走れば急にトップスピード。最後はバタバタ…がお決まりだった。坂路の最終追いで1F13秒台を切ったのは初めて。福島師も「上がり重点でうまく乗れたと思う。折り合いがついたことでいい形で長丁場に挑める」とご満悦だ。

 時にレースをかく乱する風雲児。昨春天皇賞は向正面のまくりで先頭を奪って3着。前走・阪神大賞典(3着)は1周目3コーナーすぎで一気にハナに立ち、2番手オルフェーヴルとガチンコ勝負。歴史的逸走を誘発した。昨秋以降の不振からは完全に脱出。福島師は「冬場は重かったかな。昨年は阪神大賞典を勝って天皇賞も頑張ったが、今年の大賞典は昨年以上のメンバー。その中で頑張ったのだから、本番も楽しみ」と期待を寄せる。

 和田は作戦をめぐらせた。「決め手のある馬にはかなわないと思うし、引っ張り殺すのもどうか。昨年のように包まれてから外に出すのは避けたい。この馬のリズムで走れるくらいに、誰かが引っ張ってくれれば理想。前に行けることは今の馬場ではアドバンテージだから」。先行馬が大活躍した開幕週の京都。勝負どころで必ず前にいる機動力は、オルフェーヴルとて油断はできない。7歳を迎えて完成期に入ったクレセントに大駆けムードが漂う。

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2012年4月27日のニュース