【ヴィクトリアM】ブエナ首差届かず…松田博師「相手が強かった」

[ 2011年5月16日 06:00 ]

<ヴィクトリアM>2着に敗れ引き上げるブエナビスタ

 ヴィクトリアマイルのゴール前はファンが望んだ通り2強の一騎打ち。アパパネに軍配が上がったが、メンバー中最速の上がり3F34秒0で、首差まで追い詰めたブエナビスタも負けて強しのレースぶりだった。さらに2強から首+首差3着に踏ん張ったレディアルバローザも、今後が楽しみになる内容。真の女王の座をめぐる戦いは、まだまだ続く。

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 最後の直線。馬場の中央をばく進するアパパネにブエナビスタが迫る。内で必死に抵抗するレディアルバローザをかわし、アパパネが先頭に立った残り100メートルの地点で、その差は1馬身。鞍上の岩田がこん身の左ムチを振り下ろし、1完歩ごとに差を詰めたが…。最後はわずかに首差及ばず、6つ目のG1タイトルには届かなかった。

 レース運びは完璧だった。向正面は中団より後ろ、すぐ目の前のアパパネをマークしながら進んだ。4角で追い出したタイミングもほぼ同じ。だが、鞍上のアクションに即座に反応して加速したアパパネに対し、ブエナの反応はわずかに遅れた。「いい位置で競馬できたが、馬群に取り付いていくところでスッと行けなかった。休み明けの分なのかな…」。明暗を分けた勝負どころでの反応の差に首をひねった岩田。悔しさを押し殺すように「それでも坂を上がってから、また伸びてくれた。乗りやすかったし状態も良かったと思う」と振り返った。

 無念の表情を浮かべた鞍上とは対照的に、松田博師はサバサバと報道陣に対応した。「後ろからよく来たな。敗因?うちの馬もよう走っとる。相手がそれ以上に走っただけや」。昨年同様、ドバイ遠征からの帰国初戦。「昨年は馬がガタガタだったけど、今年は調整も楽だった。それでも勝てなかったのは相手が強かったということだろう」。1位入線→2着降着となった昨秋のジャパンC以降、これで4連敗となったが「一度ケチがつくと、なかなか元には戻せんな」と勝負師らしいコメントで愛馬をねぎらった。

 敗れはしたが、年度代表馬の輝きがなくなってしまったわけではない。次走は春競馬を締めくくるグランプリ・宝塚記念(6月26日、阪神)が濃厚。「無事だったら使う。2000メートル以上の方が安心して見ていられるし、馬ももうちょっと良くなると思う。まあ、何とかなるやろ」。それぞれの道を進む東西女王の再対決は秋。激闘譜はまだ始まったばかりだ。

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2011年5月16日のニュース