【阪神JF】橋口師驚き!ワンピース超抜50秒9

[ 2010年12月10日 06:00 ]

坂路で併走馬・ベッラミーア(左)を突き放すツルマルワンピース

 2歳女王決定戦「第62回阪神ジュベナイルフィリーズ」のメンバー18頭が9日、確定。栗東トレセンで行われた木曜追いでは、ツルマルワンピースが坂路で4F50秒9の好時計をマークした。最高潮の出来と豊富なキャリアを武器に大一番に挑む。また、同レースの枠順は9日に確定する。

 出来の良さがビンビンと伝わってきた。坂路モニターに映し出されたツルマルワンピースのタイムは、この日の3番時計となる4F50秒9~1F13秒0。橋口師の声のトーンが上がる。
 「何でこんなに速いんだ。それだけ出来がいいってことなのかな」
 驚くのも無理はない。ファンタジーSの最終追い切りでマークした自己最速の4F52秒3を、1秒4も更新。それでいて手応えには余裕があった。ムチが入れば、どこまで伸びたのかと思わせる元気の良さだ。
 「小倉の頃より力を付けている。レースで安定して力を出せるようになってきたからね」
 出来に加え、夏からの成長にも指揮官は太鼓判を押す。確かに前走のファンタジーSは6着に終わった。しかしこれは決め手の差。「鋭い脚が使えなくて、しぶとさを生かすタイプ。阪神で未勝利を勝ってるし坂はいいと思うよ」。さらに1F延びて初のマイル戦となることも「全く心配ないよ。オークスまで大丈夫だと思っているからね」とプラスに捉えた。
 母の無念を晴らす一戦でもある。母ツルマルグラマーはファンタジーS2着を最後にいいところなく3歳で引退。阪神JFでは3番人気ながら13着に敗れている。「どのレースだったか、目に石が当たって失明寸前になったんだ。それで走らなくなったけど能力はあった。グラマーと名前を付けたぐらいだから、いい馬だったよ」。橋口師はちょっと残念そうに振り返った。その分、娘に懸ける思いは強い。
 「レーヴディソールとダンスファンタジアはかなり強そうだけど、キャリアで立ち向かっていきたいね」。キャリア2戦の2強に対し、こちらはもまれて5戦を消化。人間で言えば小学生の女の子にあたる2歳牝馬の戦い。豊富な経験を武器に、あっと言わせるシーンがあっていい。

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2010年12月10日のニュース