【フローラS】背水のブルーミングアレー2着はいらない

[ 2010年4月21日 06:00 ]

背水の陣でフローラSに挑むブルーミングアレー

 3枚のオークス切符を懸けて、東西の素質馬が激突するフローラS。美浦では立て直しに成功したブルーミングアレーが、早くも戦闘モードに突入。後のタイトルホースと互角の戦いを演じてきた“最強の1勝馬”が、惜敗続きにピリオドを打つか。

 まさに背水の陣。1勝馬のブルーミングアレーは、ここで3着以内に入って権利を獲らないとオークス出走は絶望的。小島茂師も「そこはしっかりと意識して仕上げてきた。古馬並みに攻めてきた」と意気込む。既に1週前追いで古馬を突き放す豪快な動きを見せており「今週はサラッと併せれば十分」と臨戦態勢も整っている。
 「戦ってきた相手を物差しにすれば上位争いできる能力はある。皐月賞の結果を見て、より楽しみになった」と師は話す。2戦目の赤松賞は桜花賞馬アパパネの2着。続くエリカ賞で、わずかに首差競り負けたエイシンフラッシュは、その後に京成杯を勝ち、先週の皐月賞でも3着に食い込んでいる。G1級の素質は疑いようもない。
 前走・クイーンCは5着に敗れ、デビュー以来初めて連対を外したが、陣営にとっては納得の敗戦だった。「疲労もあったし厳しいことを分かった上で、あえて挑戦させた。休ませるのは簡単だが休ませないで馬をつくっていくことも大事。強い馬を育てるには、どこかで踏み込むことが必要。この馬なら乗り越えてくれると信じて使った」。師の信念を感じ取ったかのように、ブルーミングは前走からわずか2カ月半で、充電完了。実戦の場に戻ってきた。「駄目なら秋まで待ってもいい」。期待馬だからこそ課した試練は、大きな財産となって実を結ぼうとしている。
 2年前のオークスで4着に好走し、秋に秋華賞を勝ったブラックエンブレムと比べても素質は互角以上。「エンブレムはこの時期、気持ちと体のバランスが悪くて攻められる状況ではなかったけど、この馬は攻めていける」と話す。「気持ちが入って、いい雰囲気になってきた」と闘争心も戻った。もう2着はいらない。試練を乗り越えた新生ブルーミングアレーは、勝って大舞台を踏みしめる構えだ。

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2010年4月21日のニュース