「その日に鳴った音が、今の真実」──Sadie・剣が語る「Voyage」 もう一度舵を切る再出航

[ 2026年3月16日 07:30 ]

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 8年半の沈黙を経て動き出した5人組ロックバンド「Sadie」。昨年末に発表されたセルフカバーアルバム「THE REVIVAL OF MADNESS」は、単なる懐古ではなく“再デビュー”という意思表示でもある。その制作背景について、ギタリストの剣がオンラインインタビューに応じた。中でも「Voyage」は、今回の再出航を象徴する一曲だという。(ヴィジュアル系特集取材班)

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 「再始動の意味合いに加えて、もう一度、名刺を差し出すということも含まれている」

 そう言い切る。8年半という時間は、シーンの景色も、ファンの生活も変えるには十分すぎる歳月だった。当時ライブハウスで涙を流した人もいれば、結婚や出産、仕事に追われ、音楽から少し距離を置いた人もいるだろう。そして今、RAZORから存在を知った新しい世代もいる。

 だからこその“再出航”。過去の栄光に寄りかかるのではなく、今の5人の音であらためて提示する。それが「THE REVIVAL OF MADNESS」の役割だった。

 では、「Voyage」はどう再解釈されたのか。

 答えは意外なほどシンプルだ。「ほぼ変えていない」。ギターソロもフレーズも大枠はそのまま。ただし、音の解像度は明らかに違う。空白の時間に積み重ねた技術と経験が、静かに楽曲を底上げしている。

 「単純に、変える必要性を感じなかった」

 あの頃の痛みを無理に美化しない。かといって、なぞり直すわけでもない。ただ“今の自分”で鳴らす。それだけで曲は自然と現在形になる。

 2015年の「Voyage」は、どこか痛々しさをはらんでいた。別れを予感させる空気。未来の見えなさ。その記憶がよみがえり、複雑な感情を抱くファンも少なくないはずだ。

 それでも言葉は揺るがない。「この曲があったから、また5人が集まれたと思ってる」

 別れの歌は、いつの間にか“再会の歌”へと輪郭を変えていた。離れていた時間も、途切れていたわけではない。

 ライブでも、特別な感情を上乗せすることはしないという。「その日に鳴った音が、今のSadieの真実」。過去と比較することも、新旧ファンを線引きすることもない。好きになった時期が違うだけ。そこに優劣はない。

 「違って当たり前。全部があるから今の俺たちがいる」。長く支えてきた人も、最近になって出会った人も、そのすべてが今の景色を作っている。

 「その日に鳴った音が、今のSadieの真実」

 だからこそ「Voyage」も、当時の感情をなぞるのではなく、現在の5人で鳴らす。ただそれだけだ。別れを経て、空白を抱え、それでも再び同じステージに立つ。その事実がこの曲の意味を静かに更新している。

 再出航とは、過去を塗り替えることではない。積み重ねたすべてを抱えたまま、もう一度音を鳴らすこと。剣の言葉はそう告げているようだった。

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