【王将戦】永瀬九段 “特急料金攻め” 2筋に歩、もう一度歩、駒損より速度優先 開幕初日から盤上緊迫

[ 2026年1月12日 05:30 ]

ALSOK杯第75期王将戦7番勝負第1局第1日 ( 2026年1月11日    静岡県掛川市・掛川城二の丸茶室 )

熟考する永瀬九段
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 将棋の第75期王将戦7番勝負(特別協力・スポーツニッポン新聞社、毎日新聞)第1局は11日、静岡県掛川市の掛川城二の丸茶室で第1日を行い、先手の挑戦者・永瀬拓矢九段(33)が69手目を封じて指し掛けた。63手目に工夫の一手を披露した永瀬に対し、4連覇中の藤井聡太王将(23)=名人含む6冠=は2時間超えの長考に入り、初日から盤上は緊迫感が充満した。対局は12日午前9時に再開する。

 寒風吹きすさぶ冷気などなんのその。対局場の空気は今にも沸騰するかの様相だ。午後6時に立会人の神谷広志八段(64)から封じ手を促された永瀬は生垣諒人三段に累積消費時間を確認。30秒ほど呼吸を整えてから「封じます」と応じた。

 振り駒で先手を得ると、迷うことなく角換わり腰掛け銀への進行を選んだ。藤井戦では44局目にして16回目の出現だ。定番中の定番だけに、研究の深度はマリアナ海溝より深く、極めても極めてもさらに先がある。将棋の真実を追究する求道者にとっては格好の教材だ。ゆえに駒組みを終えると膠着(こうちゃく)状態となり、千日手への道を歩むケースも数多い。だが永瀬は47手目▲4五桂(第1図)と開戦を志向した。永瀬が「真剣」勝負と形容する激しい手順だ。

 驚きの一手は63手目の▲2六歩。2手前の▲2五歩とペアになる手筋の「継ぎ歩」だ。珍しいのは応手により、藤井の歩を六段目までつり上げたこと。4八に鎮座する金を3七に進出させ、2九飛を絡めての「棒金」が永瀬の狙いだ。

 この進行を見た神谷八段は「1歩損で特急料金を払うようだ」と形容した。本来、守りの性格を持つ金を流れの中で攻撃に転用する。1歩を犠牲にして、停車中の鈍行列車は特急へとランクアップ。なんとも絶妙な好手により、藤井の持ち時間を気持ち良く削っていく。

 攻め合いとなった指し掛け時点で永瀬は主導権を握っていると言っていいだろう。前日の検分で4個の追加を希望したゼリー飲料には全く手を付けず、ブドウ糖の摂取は今日の第2日に温存した。終盤の殴り合いで最後はリングに立つために。(我満 晴朗)

 【封じ手は?】▼立会人・神谷広志八段 ▲同歩。本命は▲2六金だが、受けに回るならこの手かな。

 ▼記録係・生垣諒人三段 ▲2六金。右金を使ってどんどん攻めていきたい。

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