「丸裸でマイクに向き合えるようになった」 住吉美紀アナが「共感の女王」になるまでの2つの転機
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【インタビュー】フリーアナウンサーの住吉美紀(52)はその進行ぶりから「共感の女王」と呼ばれている。TOKYO FM「Blue Ocean」(月~金曜前9・00)でパーソナリティーを務めて今年で14年目。毎日リスナーからのお便りに寄り添っている。住吉はスポニチのインタビューに応じ、同番組への思いをたっぷり語った。(望月 清香)
「分かるー!」。平日朝のTOKYO FMには住吉のはつらつとした声が響く。住吉とリスナーたちが思い思いに意見を交わし合う姿は井戸端会議のよう。住吉はリスナーからのお便りにテンポ良く相づちを打って会話を広げていく。「人の話を聞き出すのが大好きなんです。人の話を細かく聞くと、必ず共感ポイントがある。共感できた時につながれたという喜びを感じるんです。それが私にとって人生の喜び。『Blue Ocean』はリスナーの方と“分かる!”と共感し合えるので、理屈抜きの幸せが毎日作り出せる場所です」。ラジオは住吉にとっての天職なのだろう。生き生きとした表情から充実ぶりが伝わってきた。
しかし、パーソナリティー就任当初は壁にぶつかったという。1996年にNHKに入局してから退局するまでの15年間、NHKアナウンサーとして客観的で正確な情報を届けることを大切にしてきた。ラジオはリスナーとの“おしゃべり”が求められる真逆の世界。「初めは個人的な感想を公共の電波で発信することに凄く抵抗感がありました」と明かす。スタッフに相談しながら試行錯誤を重ねた。
そんな住吉のパーソナリティー人生を変え大きく変えた出来事が2つある。1つは不妊治療をやめたこと。42歳から4年間不妊治療をしていたが、46歳の時にピリオドを打った。「不妊治療をしていることを仕事仲間やリスナーさんには言っていなかったので、リスナーの皆さんに隠していることがあるような後ろめたさを感じていました。子育てや不妊治療関連のお便りに胸がチクッとしたこともあります。自分自身に向き合い、気持ちを整理して、不妊治療をやめた時に、リスナーの皆さんに対してオープンになれることにほっとしました」と語る。
2つ目の転機は新型コロナウイルスの流行。住吉は1度目の緊急事態宣言が出た直後にコロナに感染し、約2週間入院した。コロナをきっかけに人と人のつながりを再確認したという。「1人ではなくてみんなで一緒に生きているという心強さを感じるようになりました」。パーソナリティーとして同じ時間を共有する意義をより強く感じるようになった。
2つの出来事を経て、「ホップステップジャンプとパーソナリティーとして丸裸でマイクに向き合えるようになりました」と晴れやかな表情で語る。住吉の思いはリスナーに伝播した。「“私が逃げずにお声をお受け止めします”という覚悟は声で伝わる。自分が変わったことでリスナーの方からもより深いメールが来るようになったし、深い関係が築けるようになったと思います」。
今後の目標を聞くと、「初心を忘れずにいたいです。素晴らしいスタッフ陣と一緒にお仕事できることに感謝の気持ちを持ちながら、リスナーさんからのメッセージに真摯に向き合っていきたいです」と答えた。ラジオを心から愛しているからこそ、住吉の周りには深い信頼関係が結ばれたスタッフやリスナーが集まるのだろう。住吉はこれからもありのままで誠実にリスナーと向き合う。
○…住吉がエッセー集「50歳の棚卸し」(講談社)を刊行した。アナウンサーとしての挫折や「Blue Ocean」への思い、過去の恋愛や壮絶な不妊治療など、これまでの人生を赤裸々につづった1冊。読者からたくさんの反響が届いているといい、「本当にありがたいです」と笑顔。「状況が目に浮かぶように、自分の経験をなるべく具体的に書きました。私の文章が鏡の役割を果たして、読者の方に共感していただいたり、ご自身の体験と重ねてもらえたらいいなと思っています」と話した。
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