「私は、まだやりきれていない」――アイドルカレッジ渡邉希奏 別れと向き合いながら選んだ「継続」の2年半

[ 2025年10月29日 15:00 ]

【画像・写真2枚目】「私が初代のセンター曲ができた」――アイドルカレッジ渡邉希奏、“明るさとギャップ”で魅せた「星屑エレジー」の真価(撮影・石塚汐花)
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 「今、アイドルが楽しいです!」。スポニチ東京本社で臨んだソロインタビューで、アイドルグループ「アイドルカレッジ」の渡邉希奏(まかな)ははっきりとそう言った。2021年の加入から2年半。ようやく心から口にできたその言葉には、迷いと痛みを越えてたどり着いた実感がこもっている。本来の夢は女優になることだった。けれど、思いがけず飛び込んだアイドルという道が、その人生を変えていった。(「推し面」取材班)

【渡邉希奏 連載①】「私が初代のセンター曲ができた」

 「一緒に頑張ろう」と夢を語り合った同期が、ひとり、またひとりとステージを去っていった。そのたびに、胸の奥がじんわりと痛んだ。

 「アイドルとしての夢を諦めてしまう瞬間を近くで見るのが、一番つらかった」

 それは惜別の悲しみだけではなかった。同じ景色を見てきた仲間がいなくなるたび、支えを失うような心細さが押し寄せた。

 「自分も違う道に進んだ方がいいのかな」。そんな思いが、ふとした瞬間に浮かぶ。ステージでは笑っていても、心の奥では揺れていた。

 それでも、マイクは手放せなかった。「私はまだ、アイドルカレッジでやりきれていない」。そう言い聞かせるように、照明の熱を浴び、ひとつひとつのステージに立ち続けた。

 もともと目指していたのは女優やモデル。小学生の頃からジャズやロックを学び、ダンスに打ち込んできた。舞台の楽しさを知っていた渡邉が、今の事務所で案内されたのは「アイドルカレッジ」だった。「メンバーとして経験を積みながら、女優を目指してみない?」。その一言が、人生を大きく動かした。

 最初は戸惑いの連続だった。これまで踊ってきたジャンルとは全く違う“可愛さ”を前面に出すアイドルダンス。フリフリの衣装に袖を通しても、どう立てば“アイドルらしく”見えるのか分からなかった。「棒立ちに見えちゃう自分が悔しくて、鏡の前で何度も練習しました」。角度、表情、指先。細部を重ねるうちに、少しずつ「アイドルとしての自分」が形になっていった。

 何より支えになったのは、ファンの存在だった。「ファンの方の存在が一番大きいです。応援してくださるのはもちろん、私の“夢そのもの”を信じてくれるんです。女優やモデルに挑戦したいという気持ちも含めて、全部を受け止めてくれる。すごく大きな存在だと思っています」

 特典会で交わす言葉、ライブ後に見せてくれる笑顔。ファンが支えてくれたその日々が、渡邉希奏というアイドルを成長させてくれた。

 新曲のカップリング「星屑(スターダスト)エレジー」でセンターに抜てきされたことも、その象徴だ。自分の色を作り上げた一曲。真正面から向けられるファンの視線が胸を震わせた。その瞬間、すべての迷いが報われた。

 大切にしている言葉は「継続」だ。「自分の中ですごく大切にしてる言葉です。その環境に合う合わないで変えるのもひとつの選択肢です。ただ、私の場合、アイドルカレッジというグループに染まってどういう風に結果を残せるかが大切だと思っているんです。何事も粘ってみる。一瞬一瞬の粘り方は、ちょっとでもいい。それを続けることを大事にしています」

 女優という夢は今も変わらない。けれど、アイドルとしての時間が、その夢を支える土台になっている。

 「アイドルとして成長できてる実感はあります。今、アイドルしてて楽しいんです」

 迷って、泣いて、笑って。あの“辞めたい夜”を越えた先に、ようやく見えた景色は輝いている。

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