「死と恋の境界を歌いたかった」――DuelJewel隼人が紡いだ「待宵月」に込めた祈り
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5人組ロックバンドDuelJewel(デュエルジュエル)のボーカル、隼人が最新アルバム「Eclipse」(エクリプス)のリリースを受け、東京・スポニチ本社で単独インタビューに応じた。作曲を手がけた表題曲「待宵月 -MATSUYOINOTSUKI-」と「死と死と」に込めた想い、そして全国ツアー「腐敗した太陽、望まれた月」で感じた変化を語った。(ヴィジュアル系特集取材班)
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「普段から精度の高い曲って、他のメンバーがいろいろ考えて持ってきてくれるんです。だから僕は“メンバーがあまり書かなそうな曲”や、“アルバムの中で空気が変わる曲”を出すようにしているんです」
今回、隼人が作曲を手がけたのは「待宵月」と「死と死と」。特に「待宵月」は、前作アルバム「Aria」の制作前から温め続けてきた楽曲だ。
「1年以上前にできていた曲なんです。そう考えると、結構長い間温めてきましたね(笑)。Ariaの選曲の時に持ち込んだんですが、“次の作品で表題にできるかも”という話が出て、あえて一度見送ったんです。それで今回、改めてメンバーとアレンジを練り直しました。最初はシンプルな構成だったけど、メンバーがそれぞれのひらめきを加えてくれて、ようやく完成した感じです」
最初に隼人が作ったのはきっかけだけ。そこに仲間が息を吹き込み、音を重ねるうちに曲はバンドの手で姿を変えていった。「僕は本当にきっかけしか作っていなくて、メンバーが作り上げてくれた曲ですね」
「待宵月」の歌入れについて尋ねると、隼人は少し笑みを浮かべながらこう振り返った「ベーシックなドラムとベース、シンプルなギターだけ。その状態にデモのシンセをはめて歌っていたので、衣装も着ず、舞台セットもない中で本番さながらに演技しているような、舞台稽古みたいな感じでした」
まだ未完成の音の中で、隼人の中にある唯一の指針は“言葉”だった。「結局、僕の中では全部“歌詞”なんですよ。そこに違和感なく入れるかどうかがすごく大事で。情景や感情が自然に浮かぶから、違和感なく歌を録れる。その精神性みたいなところを大事に書いています」
とりわけ「待宵月」は、隼人にとって“死の淵”を描く挑戦だった。
「この曲の世界観では、“死んだら何も残んないのかな”っていう不安と、恋の気持ちがリンクしてるんです。主人公は死の淵に立っていて、一歩踏み出したら何もかも消えてしまう。けれど、その直前に感じている思いや苦しみが確かにある。その境界線ってすごいなって思ったんです」
“死”と“恋” 生のギリギリを見つめることで、“生きること”の輪郭を掴もうとした。その境界に立ち、声を放つこと。それが今の隼人を動かす原動力になっている。
9月20日、全国ツアー初日の池袋EDGE。「Eclipse」を携えたステージは、序盤から強い一体感と高揚感に包まれていた。
「以前は後半になってやっと感じていた一体感が、今回は最初からバシッとあったんです。同じことをしているようで、どこかがきっと変わっている。それはお客さんとの関係性かもしれない。音楽だけでは多分説明がつかないものがあるんだろうな」
長く続けてきたバンドだからこそ、観客との呼吸が自然に重なる。積み重ねた年月が、互いを信じる空気へと変わっていったのだろう。
「ライブって、“日常では開けない感情の扉”をこじ開けるような時間なんです。そのドアを叩いて、強制的にガバッと開く。そこに生でやる意味がある。普段出ないようなみんなの感情を体感できる喜びがツアーにあるから、アルバム作りにもポジティブに向き合えるんだと思います。作れる限りは、作りたいですね」
きらびやかな幻想を超えて、人としての“実感”を追い求めるその姿勢。それは、青春をDuelJewelと共に過ごした世代の胸にも、もう一度、小さな炎をともす。
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