ばるの足は止まらないーー28年目、DuelJewelドラマーが挑んだ“ゼロからの踏み直し”

[ 2025年10月11日 17:00 ]

【画像・写真3枚目】 「熱量がビリビリ伝わった」――DuelJewelばるが託した「Last train」の疾走と、ツアー初日に響いた覚醒の音
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 5人組ロックバンド「DuelJewel」のドラマー・ばるが東京・スポニチ本社でソロインタビューに応じた。バンドが続いてきた理由、AI時代におけるライブの価値、そして自身の肉体との闘いについて率直に語った。(ヴィジュアル系特集取材班)

【ばる連載②】28年分の「継続という力」

 長年ステージでドラムを叩き続ける中で、ばるはある異変に直面した。

 「(運動障害の一種である)ジストニアの一歩手前みたいな時期があって、右足が思うように動かない悩みを抱えていました。信頼できる先生にメンテナンスしてもらいながら続けてきて今、いい兆候が見えてきた。原因は色々考えられますが、これまでずっと“我流”で踏んできたことが大きいのかなと。体を壊す方向の踏み方をしていた。だから今はゼロから踏み直しています」

 熟練のプレイヤーが基本動作をゼロから作り直す。それはスポーツ選手が長年のフォームを捨て、新たな型を体に叩き込むようなものだ。怖くはないのかと問うと、返ってきたのは一言。

 「やらないと先がないので」

 演奏を続けるほど体への負担は増し、特にボーカリストやドラマーはその影響を受けやすいという。 「どこか一つの動かし方を間違えると、その衝撃が積み重なって、やがて故障に繋がる。まさにアスリートと同じです。だから定期的に体をメンテナンスし、コンディションを若い頃に近づける努力もしています」

 ドラムの世界でもジストニアに苦しむ演奏者は少なくない。ばるもまた年齢と向き合いながら、自らの体を鍛え続けている。

 「若いドラマーには『体を大事にしろ』と伝えたいですね」

 一方で、結成から28年を迎えられた理由を問うと、表情を和らげてこう答えた。

「やっぱりメンバーの仲の良さですね。解散していた時期も、一緒に飯を食べたり旅行に行ったり。『ウナギ食べたい』って言って、わざわざ車を出して行ったこともあります。結局この5人で一緒にいるのが楽しいんです。だから続けられる」

 今、生成AIが音楽を量産する時代に入った。その流れを、ばるは「紙一重の存在」ととらえている。 「AIの進化って本当にすごい。簡単に曲が作れるようになって、今まで努力してきたものがどこまで自分の資産になるのか、不安になることもあります。でも同時に、ドラム以外はできない自分のイメージをAIが形にしてくれるなら、表現の幅は大きく広がる。危機感と可能性は紙一重なんです」

 その中で、ドラマーとしての視点は揺るがない。「ドラムを生で録るのは大掛かりでコストもかかる。だから打ち込みを使う人も増えています。でも人間が叩くときの“グルーヴ”は絶対に代わりがきかない。それはライブでこそ際立つ。だからこそ、ライブに足を運ぶ意味はなくならない。バンドにしか出せない表現を突き詰めたいですね」

 9月20日に幕を開けた全国ツアー「腐敗した太陽、望まれた月」。ばるはこのツアーを「アルバムの力を証明する場」と位置づける。

「ここ4年で毎年アルバムを作り、去年はリバイバルも含めて5枚出しました。今はデジタルが主流ですが、僕はCDを作ることに意味があると思っている。作品をツアーでどう表現するかが大事なんです。音源では分からない良さを、ライブで体感してほしい」

 12月14日、ツアーファイナルは渋谷STREAM Hall。そしてその先には、3月1日の恵比寿ガーデンホールが待っている。

 「初日からすごい盛り上がりでした。だからファイナルはとんでもないことになるはず。来ないと損ですよ」

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