フリーアナウンサー吉崎典子 歌舞伎は推しごと 鑑賞歴30年以上、公私一体のライフワーク

[ 2025年3月14日 05:00 ]

中村勘九郎(右)、七之助兄弟と交流を持つフリーアナウンサーの吉崎典子
Photo By 提供写真

 【だから元気!】著名人に健康や元気の秘訣(ひけつ)を語ってもらう企画「だから元気!」。今回はフリーアナウンサーの吉崎典子さん(63)です。1984年からフジテレビのアナウンサーとして活躍し、21年に定年退職。今なお明朗快活に言葉を発し続けられるエネルギーの源となっているのが、30年以上のライフワークという「歌舞伎鑑賞」です。(構成・吉澤 塁)

 歌舞伎座に月に数度行くのがルーティンです。特に中村勘九郎さんと七之助さんには大変お世話になっていますので、公演がある時は歌舞伎座だけでなく、日本全国追いかけますし、ニューヨークやスペインにも行きました。中村屋の全国巡業にはトークコーナー司会として仕事でご一緒しており、昨年10月には鹿児島県三島村にある硫黄島の公演にも同行。もう完全に公私一体の“推し活”ですね(笑い)。

 どっぷりと漬かったのは、フジテレビの先輩の野間脩平アナのリードでアナウンス室の皆さんと歌舞伎座に通うようになった30代の頃。フジが中村屋の密着番組をやっているので、主に中村勘三郎さんのお芝居を中心に見ていました。舞台が終わると私たちの食事会に勘三郎さんも駆けつけてくれるんです。ずっとお芝居の話をされていて、本当にぜいたくなひとときでした。

 それから中村屋のファンになり、以来30年以上のご縁。2012年に勘三郎さんがお亡くなりになった時は毎日目を腫らしながら会社に通勤していたのを覚えています。今では勘三郎さんのお孫さんの勘太郎さん、長三郎さんの舞台を見るたびに目頭が熱くなる。完全に遠い親戚のおばさん目線です(笑い)。

 物語の面白さや華やかな衣装…。歌舞伎の魅力はたくさんありますが、私が一番好きなのはやはり役者。同じ演目でも役者が違うと舞台の印象もがらっと変わる。「この役者さんはお父さまの面影があるな」とか、「逆に新しい役を作り上げているんだな」とか、差異を楽しむのが好きですね。公演が終わると高揚感でぽかぽかになって、それが明日を生きるエネルギーに。

 もちろんプライベートで楽しむのが主ですが、ありがたいことにお仕事にもつながりました。16年に歌舞伎のイヤホンガイドの解説者としてデビューしたんです。当時はアナウンス室から異動していましたが、職場の皆が後押ししてくれました。仕事が関わると鑑賞方法も変わってきます。解説する際の表現方法を模索したり、新たな視点を探したり、とても刺激的ですね。

 イヤホンガイドの世界では80歳、90歳の語り手なんて当たり前。私なんてまだまだひよっこです。とはいえ、年齢を重ねることで自分の声にも変化が出てきました。若い頃よりも確実に声は低くなっている。新人だった時の動画を見ると「なんて甲高い声なんだ」と思います。以前は毎日飲むほど大好きだったお酒も最近は量が減ってきました。訓練しなければ体は確実に衰える。だからこそ今でも声を出す仕事は積極的にしています。

 そのひとつがフジテレビが運営しているアナウンススクールの「アナトレ」講師の仕事。大学生の時は教員になる勉強をしていたので学生時代の夢の一つが一周回って戻ってきた感覚もあります。自分が新人だった時に先輩から教わったことを、未来のアナウンサーたちに伝えていく。そこはもしかしたら伝統を継承していく歌舞伎の世界と少しだけ似ているのかもしれません。歌舞伎鑑賞とともにアナトレの仕事も自分の生涯のライフワークになりそうです。

 夢を持ったピチピチの若い子たちと触れ合い、応援できることは幸せ。おかげさまで今でもさまざまな仕事を頂いているので、若い子や“推し”の俳優さんたちからいっぱい元気をもらって、自分もバリバリと働きたい。5月には中村屋の全国巡業「新緑歌舞伎特別公演」もあります。これからも公私を充実させたいですね。

 ≪月刊誌「婦人画報」で連載担当 ラジオパーソナリティーも 日々学びの姿勢≫
 吉崎アナは現在、月刊誌「婦人画報」で「吉崎典子の歌舞伎耳寄り話」を連載している。その月の演目や歌舞伎に関連するミニ知識を紹介するコーナーで「自分からアイデアを出して書いているのですが、そのためには調べることが山ほどある。自分が持っている引き出しだけでは到底追いつかないので、積極的にいろいろなことを学ぶ日々です」と充実感をのぞかせた。

 また、ニッポン放送では評論トーク番組「私の正論」(月曜後6・10)のパーソナリティーを務めている。政治、経済、社会などさまざまなジャンルの識者を呼び意見を聞く番組。「事前にその方の本を必ず読み、何を引き出すことができるのか準備するようにしています。毎回新しい学びがあることが楽しいですね」と話した。

 ◇吉崎 典子(よしざき・のりこ)1961年(昭36)10月29日生まれ、東京都出身の63歳。東京学芸大を卒業後、84年にフジテレビ入社。翌85年に正社員となり、2021年に定年退職した。社員時代は「おはよう!ナイスデイ」や「FNNスーパータイム」などを担当。YouTubeチャンネル「平成中村座チャンネル」のナレーションも務めている。愛称は「テンコさん」。

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