藤井叡王「もう少し工夫が必要だった」「違う勝負手を掘り下げるべきだった」タイトル戦連勝ストップに淡々

[ 2024年4月20日 18:55 ]

叡王戦第2局に臨んだ藤井聡太叡王(日本将棋連盟提供)
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 藤井聡太叡王(21)=王将など8冠=が挑戦者に同学年の伊藤匠七段(21)を迎える第9期叡王戦5番勝負第2局は20日、石川県加賀市「アパリゾート佳水郷」で行われ、伊藤匠七段が87手で藤井叡王にプロ入り後初勝利を飾った。藤井叡王はこの敗戦でタイトル戦連勝が「16」でストップ。大山康晴15世名人が1961~62年度に達成した歴代最多記録に並ぶことはできなかった。これで対戦成績は1勝1敗の五分に。互いに勝てば王手がかかる第3局は5月2日、愛知県名古屋市中区「名古屋東急ホテル」で行われる。

 終盤に向け千日手の可能性も解説で話される中、藤井の一手で形勢が動いた。

 「もう少し工夫が必要だった」

 この一手で劣勢に傾き、そして伊藤の87手に藤井が投了。藤井はしっかりとした口調で終盤について「失敗してしまったかなと思っていた」と回想。「違う勝負手を掘り下げるべきだったと思います」と敗戦の弁。大山康晴15世名人に並ぶことができずタイトル戦連勝が「16」で止まったことについては「仕方ないかなと思っています」と淡々と語った。

 また、自身が「課題」と口にすることもある後手番。戦型は後手藤井の3三金型早繰り銀に進んだ。公式戦438局目で藤井の採用は初めて。藤井は10手目、得意の角換わり腰掛け銀では定跡化された角交換ではなく、角を3段目へ上がった。藤井が10手目、3段目へ角を上がるのは公式戦初で、変化球を投じた。

 前例のない形で挑んだことについては「う~ん…」と長考後「やってみてどうなのかなと思って」と声を絞り出した。しかし、これで1勝1敗のタイとなっただけ。名人戦も含め続く戦いを見据え「退局が続くので、いいコンデションで臨めるようにしていきたいと思っています」と前を向いた。

 一方の挑戦者・伊藤は待望の初勝利で、藤井戦通算成績を1勝11敗1持将棋(引き分け)に。「勝つことがなかったので、一つ結果が出たのは良かった」と表情を変えずに語った。2002年生まれ同士の同学年頂上対決は、来月2日に勝負の第3局を迎える。

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