「どうする家康」瀬名介錯の裏側 女大鼠・松本まりか「思わず」台本にない平伏「なぜ忍びが」悩み抜き読解

[ 2023年10月8日 20:45 ]

大河ドラマ「どうする家康」第25話。女大鼠(松本まりか)は瀬名を介錯し…(C)NHK
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 嵐の松本潤(40)が主演を務めるNHK大河ドラマ「どうする家康」(日曜後8・00)は8日、第38話が放送され、くノ一・女大鼠が第29話「伊賀を越えろ!」(7月30日)以来9話ぶりに登場。豊臣秀吉の唐入りに際し、最後の任務を遂行した。ドラマオリジナルのキャラクターを好演し、服部半蔵役の俳優・山田孝之(39)とのバディも人気を博した女優の松本まりか(39)が同局を通じてコメント。中学生の時に千姫(少女時代)役を演じた2000年「葵 徳川三代」以来23年ぶり2回目の大河出演を振り返った。

 <※以下、ネタバレ有>

 「リーガル・ハイ」「コンフィデンスマンJP」シリーズなどの古沢良太氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ62作目。弱小国・三河の主は、いかにして戦国の世を生き抜き、天下統一を成し遂げたのか。江戸幕府初代将軍を単独主役にした大河は1983年「徳川家康」以来、実に40年ぶり。令和版にアップデートした新たな家康像を描く。古沢氏は大河脚本初挑戦。松本は大河初主演となる。

 第38話は「唐入り」。ついに天下統一を果たした豊臣秀吉(ムロツヨシ)は、次の狙いを国外に求めた。江戸開発に勤しんでいた徳川家康(松本潤)をはじめ、諸大名を肥前名護屋城に集め、唐入りを命じる。朝鮮に渡った加藤清正(淵上泰史)たちから連戦連勝の報が届き、秀吉はご満悦。しかし、家康は苦戦を強いられているという裏情報を入手。家康が石田三成(中村七之助)とともに秀吉の渡航を必死に食い止めようとした時、家康の前に茶々(北川景子)が現れ…という展開。

 今や8000石持ちの武将となった服部半蔵(山田孝之)は御託を並べた挙げ句、「そこまで仰せなら、仕方ない」と戦況を探る“最後の忍び働き”と渋々承諾。指笛も鳴らないが、「おい!」の合図に天井から大鼠(松本まりか)が現れ「呼んだか」。バディ健在だ。

 半蔵と大鼠は島津・毛利・小西などの陣から戦地と直に交わしている文を盗み出し、朝鮮攻めの停滞を家康に報告。明国が助太刀し、冬の寒さもあり「かの地、今頃、地獄の様相を呈していることかと」(半蔵)とした。

 ――特に印象に残るシーン

 やはり、第25回「はるかに遠い夢」(6月25日)で瀬名(有村架純)を介錯するシーンですかね。反響も想像以上に大きく、とても心に残っています。

 瀬名の最期を描く大事なシーン。大鼠は瀬名とほぼ会ったことすらなかったので、初めて台本を読んで大鼠が介錯すると知った時は驚きました。半蔵が(松平)信康(細田佳央太)を、大鼠が瀬名を介錯しましたが、私たち忍びがなぜやるのか。その意味を見つけることが重要だと感じました。この2人に大事な役目を預けた古沢さんの意図が絶対にあるはずで、それをキャッチできないと演じられないですし、あの素晴らしい台本を自分が壊すようなことはしたくないなと思いながら、悩みました。殿(家康)と瀬名が積み上げてきた歴史も見ていないのに、あの場にいていいのか、どういう心情でいたらいいのか。でも、かといって、感情的になるのも違うし…と。

 でも、自分なりに意図を読み取れた時、脚本の素晴らしさをあらためて感じたんです。殿と瀬名をずっと側で見てきた家臣団は、とてもじゃないけど、瀬名の介錯なんてできない。逆に適度な距離感を持った半蔵と大鼠だからこそ、最期を見届けられるんじゃないかと。

 あの日の撮影は、25回まで積み上げてきた殿と瀬名と家臣団とスタッフさんたちの思いを凄く強く感じて、いつも以上に熱い空気が流れていました。

 瀬名が振り返って「介錯を頼む」と言った時に初めて目が合ったのですが、その目を見た時、もう一度、彼女の顔を見て確かめたくなりました。それで、再度、顔をのぞく動きが生まれて…。瀬名の表情、目から、本気なんだと確信することができて、介錯する覚悟ができたというか…。あの瀬名の目がなければ、私はしゃがんでもう一度、目を見に行くこともなかったですし、介錯できる気持ちにはならなかった。そこまでの瀬名や殿や家臣団のお芝居があったからこそ、たまらなくなって土下座に至ったんだと思います。

 土下座も台本にはありませんでしたが、介錯した後、そのままその場に居続けることはどうしてもできなくて、思わずひれ伏しました。皆さんの芝居に動かされていったシーンでした。

 ――視聴者へのメッセージ

 大鼠というオリジナルキャラクターを皆さんがそれぞれに解釈して楽しんでくれたり、たくさんの反響や感想が私の支えになっていました。大鼠がいいスパイスになれていたら、うれしいです。これまで自分が演じてきた役とは全然違うキャラクターで、非常に悩んだ役でしたけれど、この1年間、キャスト・スタッフの皆さんと過ごした時間というのは、本当にありがたくて、貴重な時間でした。あらためて、本当にありがとうございました。

 史実からさらに想像を膨らませた「どうする家康」の世界が、私は大好きです。物語はこれからまだ10回続きますので、是非、引き続き楽しんでいただけたら、うれしいなと思っております。

 次回は第39話「太閤、くたばる」(10月15日)が放送される。

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