“誤送金”田口翔被告 保釈即YouTubeデビュー 登録者477万人ヒカルが救いの手

[ 2022年8月2日 05:30 ]

保釈され、山口南署を出る田口翔被告
Photo By 共同

 山口県阿武町から誤って振り込まれた新型コロナウイルス対策の臨時特別給付金4630万円を別の口座に振り替えたとして、電子計算機使用詐欺罪で起訴されるなどした同町の無職田口翔被告(24)が1日、勾留先の山口南署から保釈された。被告側が保釈保証金250万円を山口地裁に納付した。

 逮捕から約2カ月半勾留されていた田口被告。上下黒のスーツ姿で肩にかかるほどのロン毛だった。現場では強い風が吹き、ロン毛が覆面のように顔全体を覆う場面もあった。

 迎えの車にはトップユーチューバーのヒカル(31)が同乗。その後、対談動画の収録に臨んだ。この模様は約477万人の登録者がいるヒカルのYouTubeチャンネルで公開。保釈直後にYouTubeデビューを果たす衝撃の展開となった。

 田口被告にとっては事件後初となる肉声。誤給付金が振り込まれた当時の心境を「だまされてるんかなと思った」と告白。「オンラインカジノに使った」という自身の供述について「本当ですよ。全部使った」。誤って給付した阿武町へ恨みはないかと問われると「ノーコメント」と口をつぐんだ。動画では散髪し、ヒゲをそり落とした姿も披露した。

 2人は一体どんな関係なのか。弁護人の山田大介弁護士によると、被告に資金提供を申し出たホワイトナイト(友好的なスポンサー)がヒカルだった。

 今回の事件を巡っては、被告が誤給付金4630万円のうち4290万円を田口被告の出金先となった決済代行会社3社が返金。残り約340万円をヒカルが立て替えたという。

 ヒカルは支援の意図について動画で「田口君を使って、こっちも稼ごうと思うし、稼ぐ分稼がせようと思う。ウィンウィンを形成したい」などと語った。田口被告はツイッターアカウントを開設し「反省し、ちゃんと働き、お金を返済していきます」などと投稿。今後はヒカルが出資するブロッコリーと鶏胸肉に特化したデリバリー店に就職する方向で、公判が終わるまでは山口県内に居住しながらテレワークするという。

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