「鎌倉殿の13人」グダグダ13人の合議制…実際は?時代考証・木下竜馬氏も納得の三谷脚本 評定衆と対比
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俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)は24日、第28回が放送され、歌舞伎俳優の中村獅童(49)がクールに存在感を示してきた侍所別当・梶原景時の“最期”が描かれた。俳優の川島潤哉(43)演じる文官・中原親能も鎌倉を去り、誕生したばかりの「13人衆」「13人の合議制」が早くも崩れた。ドラマの時代考証を担当する1人、東京大学史料編纂所助教の木下竜馬氏が解説する。
<※以下、ネタバレ有>
稀代の喜劇作家にして群像劇の名手・三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。新都・鎌倉を舞台に、13人の家臣団が激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑む。
第28回は「名刀の主」。北条時政(坂東彌十郎)と比企能員(佐藤二朗)との争いにより、訴訟の取り次ぎを行う宿老は、北条義時(小栗旬)と梶原景時(獅童)の構想から大きく逸脱し、13人まで膨れ上がった。2代鎌倉殿となって気負う源頼家(金子大地)は、これを自身の力を侮っている結果だと捉えて憤慨。北条時連(のちの時房、瀬戸康史)・頼時(のちの泰時、坂口健太郎)ら“若手6人衆”を側に置き、けん制する。そんな中、13人衆が集まり、常陸の御家人の土地争いについて評議を行う…という展開。
三谷氏が「これが原作のつもりで書いている」と語るのが、鎌倉幕府が編纂した公式の史書「吾妻鏡」。成立は鎌倉時代末期の13世紀末から14世紀初頭とされ、治承4年(1180年)の「以仁王の乱」以降、鎌倉幕府の歴史が記されている。なお、時代考証の会議にはプロデューサー陣が参加。時代考証チーム(坂井孝一氏・長村祥知氏・木下氏)と三谷氏の直接のやり取りはない。
タイトルの基になった「13人の合議制」は、前回(第27回、7月17日)誕生。おさらいになるが、頼家に訴訟の取次を行うこの制度が導入されたことは、「吾妻鏡」の正治元年(1199年)4月12日の記事にある。
「様々な訴訟については、羽林(りうん、源頼家)が直に決断されることを停止し、今後は大小の事については北条殿(時政)・同四郎主(義時)ならびに兵庫頭(ひょうごのかみ)(中原)広元・大夫属(たゆうのさかん)入道康信(三善康信)・掃部頭(かもんのかみ)(藤原)親能(在京している)・三浦介義澄・八田右衛門尉知家・和田左衛門尉義盛・比企右衛門尉能員・藤九郎入道蓮西(安達盛長)・足立左衛門尉遠元・梶原平三景時・民部大夫(二階堂)行政らが談合を行って、計らい処理する。その他の物が理由もなく訴訟のことを(頼家に)取り次いではならない、と定められたという」(吉川弘文館「現代語訳 吾妻鏡」より)(※当時、大江広元は中原姓、中原親能は藤原姓)
木下氏によると、2010年代頃、研究が進んだ結果、頼家に対する評価が変化し始めたという。
従来は能力の劣る「暗君」とされてきた頼家だが「何か新たな文献が発見されたということでもないんですが、『吾妻鏡』の読み直しが進んで“頼家も意外とデキる人物だったんじゃないか”という再評価の動きが、この10年ぐらいで出てきました。その前に、まず1980年代ぐらいに研究が精緻になって、北条氏の傀儡とされてきた3代将軍・実朝の再評価が始まったんです。初代・頼朝はもともと評価が高かったので、その間の2代・頼家も見直してみようと。今まで素通りしてきた『吾妻鏡』の記事を足元から丁寧に読んでいくと、案外、通説とは違う一面が見えてきたんです」と研究の変遷を明かした。
「『吾妻鏡』では、頼家が乱暴なことをする記事と、北条泰時が立派なことをいう記事が対照的に配置されています。これは、頼家の暗君ぶりと比べて、泰時、ひいては北条氏の素晴らしさを目立たせようとする後世のプロパガンダではないかと考えられるようになりました」
富士の巻狩りと曽我事件が巧みに描かれた第23回「狩りと獲物」(6月12日)。頼朝が討たれたの一報に、頼家(万寿)は「私は大丈夫だ。敵は甲斐の武田の手の者か。平泉の残党か。母上たちが心配だ。守りを固めるようにと今、兵を割いて鎌倉に戻すよう命じた」と的確な采配。2代鎌倉殿の片鱗に、義時も「お見事」と目を見張った。この描写は、頼家の再評価が基になっている。
頼家の再評価に伴い「13人の合議制」の位置付けも反転する。「頼家=暗君」と捉えれば「13人の合議制=頼家の政治関与を排除するシステム」になるが、木下氏は「それが18歳の若き頼家を支え、補佐するためのものという新説が出てきたんです」と説いた。「訴訟の取次を13人に限るが、最終判断は頼家がする、というのは新説の立場です。しかし、頼家はそれを自分の政治権力が蔑ろにされていると感じる。これは旧説の立場。旧説と新説の2つの見方をドラマの中でぶつけて緊張感を出しているのは、三谷さんの力です」
ただ、今回の冒頭、13人衆による評議が全くまとまらない“グタグタぶり”が描かれた。頼家は「あいつらの魂胆は分かっておる。裁きを下すのはわしで、十三人は補佐役。そんなものは建前だ。補佐役なら二、三人いれば足る話。よってたかって、わしをのけ者にするつもりだ」と不信に陥った。
そして、正治元年(1199年)6月、政子(小池栄子)の次女・三幡(東あさみ美)が闘病の末、帰らぬ人に。三幡の乳母夫だった中原親能(川島)は出家し、鎌倉を離れた。景時は「66人の連判状」により罷免。後鳥羽上皇(尾上松也)からの誘いに乗って合流を図ったが、義時が阻止した。
木下氏も「実際に13人が一堂に会して合議してみると、全然機能しないというストーリーは、三谷さんらしいですよね。新説を基にしているわけですが、訴訟の取次なら13人も要らないと頼家の台詞で言わせている。確かにそれはおっしゃる通りだなと思いました(笑)」と納得。
「13人の合議制がうまくいかないシーンを作らなくてはいけないけれど、その実態はよく分からない。ですので、のちの『評定衆』(鎌倉幕府の最高政務機関)から逆算して創作したらどうですか?と提案しました。3代執権・北条泰時の時代にできた評定衆は、議論を尽くして意見が割れたら最後は執権(泰時)が決めることになっていたようですが、この時は13人の意見がまとまらなかった場合のルールが、まだ整備されていなかったという感じで」と舞台裏を明かした。
早くも崩れた13人衆。“権力闘争(バトルロイヤル)”の行方は――。
◇木下 竜馬(きのした・りょうま)1987年、東京都生まれ。東京大学史料編纂所助教。専門は中世法制史、鎌倉幕府。新刊は今年3月に発売された『鎌倉幕府と室町幕府』(共著、光文社新書)。
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