一体なぜ…上島竜兵さん死去 コロナ禍で“密”な芸風できず悩み 関係者が感じた異変「元気なかった」

[ 2022年5月12日 05:00 ]

16年6月、スポニチ本紙インタビューで笑顔を見せるダチョウ倶楽部の上島竜兵さん
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 お笑いトリオ「ダチョウ倶楽部」の上島竜兵(うえしま・りゅうへい、本名龍平)さんが11日、死去した。61歳。兵庫県出身。同日未明、自宅でぐったりしているのを家族が見つけ、病院で死亡が確認された。警視庁は自殺とみて経緯を調べている。体を張ったリアクション芸で老若男女に愛された人気者の突然の死。日本中に悲しみが広がった。葬儀は密葬で行う予定という。

 警視庁中野署によると、11日午前0時ごろ、上島さんが都内の自宅で倒れているのを家族が見つけ、119番。搬送先の病院で死亡が確認された。所属事務所の太田プロダクションは同日午後、公式サイトで訃報を伝え「あまりにも突然のことで驚きに堪えません」とのコメントを発表した。

 上島さんは8日放送のフジテレビ「ドリフに大挑戦スペシャル」に出演。異変を感じていた関係者もいた。収録は4月中旬に数日間行われ、長年働いてきた番組スタッフは「いつもに比べて元気がなかった。周りも“大丈夫かな”と心配するほどでした」と明かした。加藤茶(79)らとドリフターズのコントに挑んだが、顔が紅潮して汗をかき、声もリアクションも小さかったことを指摘し案ずる視聴者の声もあった。

 一方で、上島さんが通っていた自宅近くの飲食店の店主は「4、5日前にすれ違った時にあいさつしました。変わった様子もなく、普段通りのもの静かな上島さんでした」と振り返った。

 体を張ったリアクション芸や後輩からもいじられる“すべり芸”まで幅広く、誰からも愛された。93年の新語・流行語大賞大衆部門の銀賞を受賞した「聞いてないよォ」をはじめ「ヤー!」「訴えてやる!」などのギャグが国民的に浸透した。

 根が真面目で、寂しがり屋の一面もあった上島さん。自身を慕う「竜兵会」と呼ばれる後輩芸人との酒の席を楽しみにしていたがコロナ禍で激減。口論を口づけして和解する“キス芸”など、密な芸風も合わず悩んでいた。テレビ関係者は「酒席も減り、ギャグもできなくなって残念がっていた」と語る。

 20年3月に新型コロナウイルスの感染で亡くなった志村けんさん(享年70)には公私ともに可愛がられた。96年に出会い、フジテレビ「志村けんのバカ殿様」への出演を本人から直接依頼された。週6回、酒を飲みに行くこともあった。

 そんな恩師が去った後も新たな仕事にまい進。昨年10月から今年3月まで放送された日本テレビドラマ「真犯人フラグ」では謎の男役を好演。現在放送中の2本のドラマにも出演しており「俳優としてのオファーが相次いでいる状況だった」(関係者)。元々お笑いには興味はなく、個性派俳優に憧れて芸能界入りを目指しただけにとても喜んでいたという。

 突然の別れを受け止めきれないファンも多く、各界から惜しむ声が相次いだ。

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