出川哲朗「まだまだ竜さんとケンカしてチュ~したかった」 最高のライバル、最高の友 上島さんを追悼

[ 2022年5月12日 05:00 ]

上島竜兵さん死去

2010年8月、DVD「リアクションの殿堂~遺作」発売記念イベントを行った(左から)寺門ジモン、肥後克広、上島竜兵さん、出川哲朗、有吉弘行
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 体を張った芸やリアクション芸でお茶の間を楽しませ、多くのヒットギャグを残した上島さん。「リアクション芸人のツートップ」と呼ばれ、親交の深かった出川哲朗(58)は「無念です」と胸中を吐露。口論を始めた後、次第に顔を近づけ仲直りのキスをするギャグの相手を何度も務めてきた。「まだまだ竜さんとケンカしてチュ~したかったです。最高のライバルであり最高の友でした」と悼んだ。

 ダチョウ倶楽部のブレークは、1989年から放送された日本テレビ特番「ビートたけしのお笑いウルトラクイズ!!」がきっかけだった。背負ったリュックが爆破されるなど絶体絶命の企画で「殺す気か!」と鬼気迫る表情で叫んだ。上島さんはこうしたリアクションで笑いを取った。

 全裸で体を張るなど、昭和のギャグの香りのする芸をビートたけし(75)に気に入られると、後に番組の“オチ”を任されるまでになり、リアクション芸人として知名度を高めていった。

 現在のバラエティー番組では、司会者が出演者をいじり、リアクションを取る演出が多く見られる。テレビ関係者は「こうした演出スタイルを確立させた功労者は上島さん」と話す。

 ダチョウ倶楽部の十八番ネタ「アツアツおでん」や、日テレ「スーパージョッキー」で人気だった「熱湯風呂」は、今もテレビで多用されているほか、さまざまなリアクションを楽しむバリエーションが増えている。

 90年代は「どうぞどうぞ」「訴えてやる!」などのギャグで、ダチョウ倶楽部の人気が爆発。特徴は子供でもマネできるシンプルさだった。たけしの「コマネチ」、志村けんさんの「アイーン」のように、万人がマネして場が明るくなるギャグとして浸透。日常会話でも使いやすく、「聞いてないよォ」は93年の新語・流行語大賞で銀賞を受賞した。

 志村さんとは96年に出会った。すぐに気に入られ、フジ「志村けんのバカ殿様」のレギュラーに抜てき。直伝のコント術を身に付けると、志村さんの他の番組でも欠かせない存在に。番組に多数起用されることで上島さんの芸はさらに幅広い年代に広がり、リアクション芸が確立されていった。

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