繊細で気遣いの人だった 上島竜兵さん「一日に一回は志村さんを思い出す」

[ 2022年5月12日 05:00 ]

上島竜兵さん死去

19年、くるりんぱを披露する上島竜兵さん
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 【悼む】昨年3月、志村けんさんの一周忌にダチョウ倶楽部にインタビューを行った。上島さんはこぢんまりした会議室に背中を丸めながら現れた。

 「よろしくお願いします」とあいさつをすると、ボソッと「はい…」。最初は気難しそうな印象を受けたが、インタビュー用のジャケットを羽織り、おなじみのハンチング帽をかぶるとエンジンがかかった。

 「実はね、バナナの曲がり方が志村さんの好みじゃなくて収録中止になったことがあるんだ」などと、思わず噴き出してしまうような思い出話を肥後と掛け合いながら目の前で展開。目まぐるしく表情を変える姿は、記者が幼少期からテレビで慣れ親しんできた上島さんそのものだった。1時間の取材で感じたのは温かい気遣い。この日にスケジュールが合わなかった寺門とは、後日個別に取材することになっており「ジモンもよろしくな。良い話をたくさん持っているから、いっぱい聞いてやってくれ」と気にかけていた。

 そのころ週刊誌でスキャンダルが報じられていたタレントについても、記者に「君はこういうのも取材するのかい?」と語りかけ「僕も若い女の子と撮られてみたいよ」と笑わせた。テレビ関係者の間では普段から細やかな気遣いをしていることで知られる。「繊細だ」と語るお笑い関係者も多い。

 「一日に一回は志村さんのことを思い出してしまうんだ。カボチャを見ると“志村さんはカボチャ嫌いだったな”とか考えちゃうんだ」。型破りな芸風とは対照的な細やかな感受性を感じた。思えばあいさつをした時のシャイな表情にも繊細さが見え隠れしていた。

 インタビューの最後。上島さんは「俺は志村さんの写真の前でただただ飲みたいよ。良い思い出も、悪い思い出も語り合いたい…」とこぼしていた。あまりにも早すぎる志村さんとの“再会”。「聞いてないよ」と上島さんに伝えたい。(芸能担当・吉澤 塁)

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2022年5月12日のニュース