エール大・成田悠輔助教授 「新・冷戦時代」の見方は「わかりやすいけど雑。昔の冷戦とは本質的に違う」

[ 2022年3月27日 12:27 ]

東京・赤坂のTBS社屋
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 中高時代は不登校ながら東大に進んだ経歴が話題となっている米エール大の成田悠輔助教授(36)が27日、「サンデージャポン」(日曜前9・54)にリモート出演。「新・冷戦時代」について言及した。

 ロシアによるウクライナ侵攻をめぐる各国の思惑が飛び交う現状が「新・冷戦時代」突入かと言われていることについて、「わかりやすいけどけっこう雑だなって。昔の冷戦と比べると、いろんなことが世界で違っている」と指摘した。

 経済学者としての視点から「経済的に見ると、ロシアって韓国と同じくらいの経済規模しかない。アメリカと対立するような超大国みたいな存在ではもはや全然ない。さらにヨーロッパのほかの国は昔に比べて高齢化も進んでるし、産業も新しい富を生み出せていない感じで苦しんでいる。欧米の中での冷戦の重要度は落ちていると思う」と述べた。

 「どちらかというと、アメリカと中国の対立がどかんとあって、東南アジアとか南アジアにあるインドとかASEANの国がどちら側につくのか。このあたりは人口も経済も爆伸びしていて、重要な役割を担いそうなのが昔の冷戦と違うのかなと。新・冷戦というとわかりやすいかもしれないけど、昔の冷戦とは本質的にいろいろ違うということだと思う」と指摘した。

 また、スタジオの杉村太蔵から「物心ついた時から日本がアメリカに物申している記憶がないが、どう考えるか」という質問を受け「それが日本という国の実力なんだからしょうがないんじゃないですか。ジャイアンみたいな存在になることは経済的にも軍事的にもできない。どのジャイアンにくっついてスネ夫みたいに立ち回るかということを考えるしかない。これまでの歴史的経緯を考えても、政治・経済的なつながりから考えても、基本的にアメリカ陣営、NATO陣営にくっついて、アジア代表としてうまく立ち回る戦略しかないと思う」と述べた。

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2022年3月27日のニュース