橋田寿賀子さんをみとった泉ピン子「最後はずっとそばにいられたから熱海に越してきた意味があった」

[ 2021年4月6日 05:30 ]

橋田寿賀子さん死去

09年、84歳の誕生日を迎え泉ピン子(左)と瀬戸朝香(右)から祝福される橋田寿賀子さん
Photo By スポニチ

 橋田ドラマの常連だった泉ピン子。国民的ヒットとなった「おしん」で主人公の母親、「渡る世間は鬼ばかり」では次女・五月を演じるなど師弟関係は約40年に及び「本当の娘のようにかわいがっていただきました」とコメントした。

 最愛の恩師を静岡県熱海市でみとり「昨日意識がなくなったとき、“ママ”って呼ぶ私の声が聞こえてきたのか、最後に目を見開いたんです。それが最後でした」と告白。橋田さんを追うように熱海市に住むようになり「私も熱海で暮らすようになって、最後はずっとそばにいられたから熱海に越してきた意味があったと思う」とした。

 ピン子によると、橋田さんは晩年「悲しまなくてもいい。千の風になってるんだから。あなたの周りにいるから」といつも言っていた。故人をしのぶため、最期は「千の風になって」をかけて送ったという。ピン子は「ずいぶんけんかもしたし、泣いたこともあった」とした上で「今の私があるのは橋田先生のおかげです」と感謝した。

 橋田さんは生前「人との出会いで人間はつくられていく」とよく話していた。縁を感じた俳優陣らとの出会いを大切にし、橋田ファミリーとしての絆は育まれた。

 橋田さん自身もテレビプロデューサーの石井ふく子さん(94)との出会いが人生を変えた。松竹脚本部でくすぶっていた時に誘いを受けてテレビの世界に飛び込み、旅立つまで付き合いは60年に及んだ。石井さんによると、橋田さんはコロナ禍で感じた家族の形を書くことに意欲を示しており「私はいつも一人だと思っていたけれど、あなたたちがそばにいてくれたのね」と言っていたという。

 石井さんは「こんなに急だなんて悔しくて、なんと言っていいか分かりません。“あなた一人でどこ行ったのよ”という思いでいっぱいです」とコメント。「今、私の隣に笑って私を見ている遺影があります。まだ橋田さんがこの世からいなくなったなんて考えられません」と悲しみに暮れた。

続きを表示

2021年4月6日のニュース