坂田藤十郎さん 座右の銘「一生青春」 歌舞伎界のため燃やし続けた情熱

[ 2020年11月15日 05:30 ]

坂田藤十郎さん(2013年3月撮影)
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 坂田藤十郎さんは、日本俳優協会の会長を務めるなど、日本の歌舞伎界をけん引し続けてきた。優美で情のこもった上方和事を極め、上方歌舞伎再興のため尽力を尽くした。

 21歳で250年ぶりに復活上演された近松門左衛門の名作「曽根崎心中」のお初に抜てきされた。一躍スターとなり、当時は舞台に出るだけで叫び声が出るほどのアイドル並みの人気を博した。その後は東宝に入り、映画にも数多く出演。宝塚スターだった扇千景さんとの結婚も騒がれた。藤十郎さんは後日「あれは、できちゃった婚のはしりだった」と話した。

 30代で歌舞伎の世界に復帰してからは、近松門左衛門の研究に没頭。近松作品の復活を目指し私財を投入して「近松座」を立ち上げた。01年には英国で念願だった「曽根崎心中」を上演した。

 立ち役(男役)から女形、舞踊まで幅広い芸域。座右の銘は「一生青春」。大名跡襲名を実現してからも「歌舞伎界の絶対的な存在になる」と新たな目標を掲げ駆け抜けた。

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2020年11月15日のニュース