「我が家のヒミツ」佐藤仁美 連ドラ初主演に重圧、反響「怖い」目標決めない自然体 結婚の条件は3つだけ

[ 2019年3月17日 09:00 ]

佐藤仁美インタビュー

BSプレミアム「我が家のヒミツ」で連続ドラマ初主演を務め、1人4役に挑む佐藤仁美。17日放送の第3話は妊婦役(C)NHK
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 女優の佐藤仁美(39)がNHK BSプレミアム「我が家のヒミツ」(日曜後10・00)で連続ドラマ初主演。1人4役に挑み、4人の妻を演じ分けて“カメレオン女優”ぶりを発揮している。普段は気にしない評判も「怖い」と主演のプレッシャーを吐露。今年10月に40歳を迎えるが「私ね、目標がないんです」と10代の頃から変わらぬ自然体を貫く。結婚の細かい条件はやめ、今は「まじめ、健康、優しい」の3つだけ。「あと好いてくれれば」と乙女心を披露した。

 高校在学中の1995年、「ホリプロタレントスカウトキャラバン」でグランプリに輝き、同年12月にテレビ朝日「海がきこえる」でドラマデビューしてから23年。今やNHK連続テレビ小説の常連になるなど、バイプレーヤーとして活躍。映画は「バウンス ko GALS」(97年)「稲妻ルーシー」(04年)「惑う After the Rain」(17年)などに主演しているが、連ドラ主演は意外や今回が初となった。

 オファーに対し、最初は「プレッシャーの方が大きかったので、やりたくないなぁと。4役も演じるので、評価が怖い」と消極的。それでも「30代後半のこの年齢で、一度やってみた方がいいのかな」と考え直し「(昨年4月、3カ月で約12キロ)痩せたからオファーが来たんだと思っています」と笑いを誘った。

 直木賞作家・奥田英朗氏(59)の短編小説集をドラマ化した「我が家の問題」(昨年2月、主演・水川あさみ)に続く第2弾。1話完結で、夫婦の会話劇を中心に4家族の秘密をユーモラスに描く。

 佐藤は各話の主人公となる4人の妻役。第1話「IDはサニーデイ」はココリコ・田中直樹(47)を夫役に迎え、不要品処理のためネットオークションを始め、買い手から高評価を得ることに快感を覚える主婦・山本紀子、第2話「夫のカーテン屋」は八嶋智人(48)を夫役に迎え、仕事を転々として起業を繰り返す夫にヤキモキし、自分の仕事で一発逆転を狙うイラストレーター・大山春代に扮した。

 第3話「妊婦と隣人」(17日)は永井大(40)を夫役に迎え、マンションに引っ越してきた隣人に生活感が全くないことから、怪しい危険人物と疑う妊婦・松坂葉子、第4話&第5話「小説家の妻・前後編」(24日、31日)は岸谷五朗(54)を夫役に迎え、夫の受賞を機にパートを辞め、セレブ感漂うロハス生活を志す主婦・大塚里美を演じる。

 演じ分けについては「放送回をまたがない順撮りをしていただいて、次の話へのリセット期間も1日ありましたし、最終的には髪形も衣装も違うし『いっか』と(笑)。監督にも『前の話と全然違いますね』と最初に言っていただいたので『大丈夫』」と手応えを感じた。

 第1話はおっとりキャラで、タレントの小倉優子(35)をイメージ。「2話は素の私に近かったので、そんなに気にしませんでした。3話は急にサスペンス系になるので、一番難しかったです。4話と5話は岸谷さんにおんぶに抱っこな感じ。4役ともどこかチャーミングなので、それをベースに演じました」と振り返った。

 第2話は八嶋に見舞った右手~左手の往復ビンタが話題に。「何回か、ちゃんと本気で叩いた気がします。監督がずっと『(八嶋の)メガネが壊れるから』と心配していたんですが、私は『いや、そんな簡単に壊れないでしょ』と。そうしたら、最後の最後にメガネを壊しちゃって。八嶋さんの自前のメガネだったので、ホントにごめんなさい」と謝った。

 2月19日に行われた今作の試写会で、共演の永井が「カメレオン女優」と絶賛したが「そんな自覚は全くありませんし、役者さんはみんなカメレオンじゃないですか」。続けて「オンエアが終わって反響を知るまでは、まだ全然、解放はされないです。『4役とも一緒じゃねえか』みたいなことを言われると、怖いなと思って。いつも?いつもは気にしないんですが、これに限り、珍しいです。主演って大変なんだなと思いました」と実感がこもった。

 3月25日から4夜連続(後7・30)で続編が放送される「ひよっこ」など、朝ドラ出演は5回の常連。00年に初レギュラーを務めたTBS「ジャングルTV~タモリの法則~」や最近のフジテレビ「ワイドナショー」など、バラエティー対応力も抜群。今年10月には40歳を迎える。

 今後の展望を尋ねると「私ね、目標がないんです。『決めた目標を達成した後、どうすんの?』『なんで上限を決めちゃうの?」と思っちゃうんですよね。『今年はこれをやるぞ!』と決めちゃうと追い込まれそうで、決めない方が私としては生きやすい」。デビュー当時「あこがれの女優は?」の質問には答えたが「途中から『こうなりたいという女優さんはいません』と言うようになりました。10代の頃から考え方は変わっていないと思います」。肩肘張らず、飾らない、自然体さが魅力につながっている。

 目標を決めない佐藤だが「どうしてもやりたい」と珍しく“欲”を出した作品があった。2014年10月クールのNHKドラマ10「さよなら私」(全9話)。41歳になり、高校の同窓会で久しぶりに再会した友美(永作博美)と薫(石田ゆり子)の本音と友情を、脚本家の岡田惠和氏(60)が描いた。佐藤は正反対の性格の2人の間を取り持った春子を演じた。

 「(主演の)永作さんのお芝居が好きで、何回かお仕事をさせていただいたんですが、ガッツリ絡むことがなかったので。ちょうど舞台(14年8月に上演された福田雄一氏翻訳・訳詞・演出のミュージカル「タイトル・オブ・ショウ」)も同時期にあったんですが、『両方やりたい!』と。その時は精魂尽き果てました」

 プライベートについては、今年2月1日放送のフジテレビ「ダウンタウンなう」に出演し「私、どうすれば結婚できますか?」と悩みを告白。「結局、男は自立していない女が好き」などと結婚観をぶっちゃけた。

 2月19日に行われた今作の試写会でも「(妻4役を演じ)結婚前にいいが経験できました。今年、来年くらい、この経験が生かせたらと思っています。誰かいたら、紹介してください」と報道陣の笑いを誘ったが、今回も「できることなら結婚したいというのはあります。理想のタイプ?まじめ、健康、優しい。それだけでいいです。あと好いてくれれば」と乙女心を打ち明けた。

 以前、テレビで細かい条件を出し「それが一般の方々に浸透し過ぎて『姉さんって、凄く条件、厳しいよね』みたいなことを言われるんです。全25カ条になっているとか思うぐらい。今はもう、3つだけに訂正中です」と“欲”を減らしたことを明かし、笑った。公私に“無欲”の自然体で、充実の40代が待っているに違いない。

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