「万引き家族」日本映画33年ぶり快挙!LA映画批評家協会賞外国語映画賞 オスカー候補有力視

[ 2019年1月13日 16:15 ]

「LA映画批評家協会賞」で外国語映画賞を受賞した「万引き家族」の是枝裕和監督(左)と、「バーニング」のイ・チャンドン監督
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 米アカデミー賞の前哨戦として注目される「第44回ロサンゼルス映画批評家協会賞」の発表・授賞式が13日に行われ、是枝裕和監督(56)の「万引き家族」が外国語映画賞を受賞した。第11回(1985年度)の黒澤明監督「乱」以来、日本作品33年ぶりの快挙。

 ロサンゼルスを拠点に活動している映画批評家で構成された「ロサンゼルス映画批評家協会」のメンバー投票により決定。今回は韓国の名匠イ・チャンドン監督(64)の「バーニング 劇場版」とともに受賞した。

 日本映画としては過去に「千と千尋の神隠し」「かぐや姫の物語」「君の名は。」がアニメーション映画賞に輝き、日米合作作品としてはクリント・イーストウッド監督(88)の「硫黄島からの手紙」が作品賞を受賞している。

 スタンディングオベーションの中、トロフィーを受け取った是枝監督は「この賞を頂いたお礼を一言述べたくて、10時間、飛行機に乗って、今朝この街に着きました。本当にありがとうございます」などとスピーチ。喝采を浴びた。

 昨年5月に第71回カンヌ国際映画祭で日本作品21年ぶりの最高賞「パルムドール」に輝いた「万引き家族」は家族の在り方を問い続けてきた是枝監督が、東京の下町を舞台に万引で生活費を稼ぐ一家を描いた入魂作。

 息子・祥太(城桧吏)と協力して万引を重ねる父・治をリリー・フランキー(55)、その妻・信代を安藤サクラ(32)、信代の妹・亜紀を松岡茉優(23)、家族の“定収入”として年金をアテにされる祖母・初枝を樹木希林さんが演じた。昨年6月の公開以来、興行収入45億円超えのヒット。第91回アカデミー賞外国語映画賞部門の日本代表にも選出。最終ノミネーション発表前の候補リスト9本に残っており、今月22日に行われるノミネート発表に向け、大きな弾みとなった。

 今月6日(日本時間7日)に行われた「第76回ゴールデン・グローブ賞」でも外国語映画賞にノミネート。第17回(1959年度)の市川崑監督「鍵」以来、日本映画59年ぶりの快挙はならなかった。2月にロサンゼルスのハリウッドで授賞式が開かれるアカデミー賞でも、候補作となることが有力視されている。

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