「50周年が目標」吉幾三“引退宣言”の意外な真相 常習犯?実は…

[ 2017年9月10日 10:00 ]

歌手人生の裏話を披露した吉幾三
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 吉幾三(64)が曲作りに貪欲だ。来年、音楽を学ぼうと海外に旅に出る。「俺(お)ら東京さ行ぐだ」「雪國」などのヒット曲を生み出してきたシンガー・ソングライターは「もっと日本に音楽を残す」と鼻息が荒い。先月、バラエティー番組で発して話題になった“引退宣言”の真意についても語った。

 引き際のことを聞いても明るく、ユーモアたっぷりの“幾三節”は全開だった。

 「古希を過ぎて頭が“このハゲーーー”って言われる前にやめるつもり。誰にも“忖度(そんたく)”しないであと5年、50周年が目標だな」

 3月にデビュー45周年イヤーに突入した。歌手として一曲も原曲キーを下げることなくコンサートで歌い、ソングライターとしてシングル「ららばい」(5月発売)の収録曲3曲を全て作詞作曲するなど、精力的に活動。芸能プロ「吉プロモーション」、関連会社「幾三音楽出版」の社長として社員約10人を抱え、奔走している。

 「そりゃ大変だって。弟子も育てないといけないし。とにかく45周年を走り切って、放浪の旅に出るよ。45年もやってきたんだから、1年ぐらい時間ちょうだいよ」

 放浪の旅。でも休暇ではない。50周年に向けて充電するため、欧米や南米、中南米を回って音楽と触れ合う。来年4月に旅立つ予定で、仕事があれば帰国して、またすぐに海外に行くという。

 「来年はほとんど日本にいない。たまにバラエティー番組に出たり中途半端なことをしているんだったら、曲を作ることに専念した方がいいと思ったんだ。日本に音楽を残したい。いろんなバリエーションの音楽をさ」

 曲作りのインスピレーションを得るための勉強の旅。記者が感心していると「他にもいいことがあるかもよ」とボソリ。「男女の“忖度”だよ。それを人は“不倫”と言いますか?いや、ゆきずりの恋だ。“一線”越えちゃうかも」。またまた旬のワードを使って笑わせてくる。

 “引退宣言”は誤解だった。先月放送のフジテレビ「ダウンタウンなう」で「僕ね、45年で人生終えようと思ってる。歌、歌うことをね」と歌手引退を宣言。番組内で「来年3月まで歌って、ちょっと休む」と“修正”したが、ネット上で「引退」と広がった。

 「番組で引退表明なんてしないよ。ファンに申し訳ない。歌手活動をしばらく休むっていうことです」

 実は90、97年にも引退宣言をしている。常習犯と思いきや「今まで辞めると言ってきた時は、実は入院していた。病気で休むって言うと何の病気か説明しないといけない。それが嫌でさ」と意外な真相を告白。肺水腫などでの長期休養を引退宣言でカムフラージュしてきたという。

 45年間で一番の転機は千昌夫(70)との出会いだった。アイドル歌手「山岡英二」で73年にデビューしたが売れず、4年後に吉幾三に改名し、自作の再デビュー曲「俺はぜったい!プレスリー」がヒット。これを聴いた千が「面白いヤツだ」と吉に声を掛け、付き合いが始まった。

 「再デビュー後もしばらく売れなくて、もう歌手を辞めようと思った時に千さんに“おまえの頭には何百億の才能が眠っている”って説得されてさ」

 84年、千がプロデュースした「俺ら東京さ行ぐだ」がヒット。86年の「雪國」は、コミックソングから演歌に路線を変えたことで千の猛反対にあったが大ヒットし、男2人で抱き合って喜んだ。

 「千さんに出会えたことが大きい。そして一番支えられたのは家族。売れない時代に女房の貯金を使い果たしちゃった。女房には本当に感謝している」

 私生活では孫が5人いる。おじいちゃんは世界を飛び回って、貪欲に音楽と向き合う。

 ≪最新シングル表題曲 ららばい伝える「恋は“忖度”だ」≫最新シングルの表題曲「ららばい」は自ら編曲も手掛けた力作。男女の恋を描き、サビの♪情けと情けの遊びっこ…という歌詞が印象的だ。「男と女の恋っていうのは忖度、忖度でいいんだよ。それぐらい軽い恋で終わらせろっていうこと」。7月には45周年記念CDボックス「吉幾三 193大全集」を発売。「いくぞう」にちなんで自身の歌193曲を収録している。

 ◆吉 幾三(よし・いくぞう)本名鎌田善人。1952年(昭27)11月11日、青森県生まれの64歳。73年に「恋人は君ひとり」でデビュー。77年に改名後はシンガー・ソングライターとして活躍。84年に千に「津軽平野」を楽曲提供。86年から16年連続でNHK紅白歌合戦に出場。02年から「Dream」が新日本ハウスのCM曲に。1メートル78。血液型B。

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