「真田丸」妻・鈴木京香も“秀吉ロス” 臨終近づき「思わず笑みが…」

[ 2016年8月21日 10:00 ]

大河ドラマ「真田丸」で秀吉(小日向文世)の正室・寧を演じる鈴木京香(右)(C)NHK

 7日放送の第31話「終焉」で“天下人”豊臣秀吉が死去し「大坂編」が幕を下ろしたNHK大河ドラマ「真田丸」(日曜後8・00)。秀吉役の小日向文世(62)の熱演は多くの反響を呼び、ファンの間で“秀吉ロス”という現象が起こっている。正室・寧(ねい)を演じる女優・鈴木京香(48)も「現場でもちょっと寂しいですね」と“秀吉ロス”。妻として秀吉を支え、見守った鈴木が今作を振り返った。

 関白・秀吉の正室“北政所”としても知られる寧。鈴木にとっては、いつか演じてみたかった念願の役だった。「子供の頃、大河ドラマ『おんな太閤記』(1981年)が大好きだったものですから、その影響だと思います。北政所と言えば賢女、心の優しい女性というイメージでした。主演の佐久間良子さんが本当に素敵だったというのもありますけど、“ベストオブ歴史上の女性”のような印象を持っていたので、うれしかったです」

 フジテレビ「王様のレストラン」(95年)NHK大河ドラマ「新選組!」(2004年)や映画「ラヂオの時間」(97年)「ザ・マジックアワー」(08年)「清州会議」(13年)など、脚本を担当する三谷幸喜氏(55)作品の常連。以前、三谷氏に「かっぽう着が似合う日本のお母さんの役をやりたい」と希望を話したことがあったという。「もしかしたら、どこか心の片隅に覚えていてくださったのかな、とも思うんですよね。だから本当にうれしいお話なんです」と今回のオファーを心の底から喜ぶ。

 三谷氏から伝えられた寧のイメージは“肝っ玉母さん”。撮影前には「体重を10キロ増やしてきてほしい」と冗談交じりに要求された。「包容力を表現したかったんだと思います。でも、他の仕事を考えると、それはどうだろうと思いまして…。そうしたら三谷さんから『顔だけ10キロ太ったようにしてくれればいいです』と言われたんです。だから『撮影の前は極力お水を飲んで、むくんだまま来たらいいですか?』というやり取りをしました」と笑顔で振り返る。

 秀吉・寧夫妻が登場したのは「大坂編」に突入してからだった。それ以前から続く2人の深い絆など、作品の中で描かれていない部分を表現することは難しかったように思われるが、鈴木は「小日向さんが演じる秀吉を支える妻というのは、私の中ではすんなり入ってきました」と語る。

 映画「重力ピエロ」(09年)など「小日向さんとはこれまで何度か夫婦役を演じたことがありますし、恋人役も一度あります。現場での積み重ねがありますし、これまでの色々な作品を通して知っている2人(秀吉と寧)の関係もあるじゃないですか。これまでの素晴らしい作品に、自分と小日向さんを置き換えればいいだけでしたので、どんな歴史が2人にあったのかということは全く苦労せずに心の中で描けました」

 また、秀吉が臨終へと近づくシーンでは「思わず笑みがこぼれた」と明かす。

 「過去の大河ドラマや『清州会議』での秀吉と寧を、自分と小日向さんに置き換えていたので、看取る時にたくさんの思い出が出てきたんです。『あんなことがあったわね、こんなことがあったわね』と思いながら小日向さんの顔を見ていたら、思わず笑みがこぼれたような表情になりました。これはものすごく腹黒い女に映っているのではないかと思いましたが…」

 14日放送の第32話「応酬」で石田三成(山本耕史)と徳川家康(内野聖陽)の対立が表面化。関ヶ原の戦いへと進んでいく今後の展開を、寧はどのような立ち位置から見守るのか。鈴木は「世の中の流れを見てやろうとは思っていなかったのではないでしょうか。それまで自分がお世話になった人のことを弔うとか、亡くなった人たちのことを見ていたのではないかと思います」と秀吉亡き後の寧の心情を推測した。

続きを表示

この記事のフォト

2016年8月21日のニュース