NHK「コントレール」で三たび 大石静氏が“禁断の恋”を描くワケ

[ 2016年4月29日 10:00 ]

NHK「コントレール」の脚本を務める大石静氏

 NHK連続テレビ小説「ふたりっ子」などで知られる脚本家・大石静氏(64)が三たび“大人のラブストーリー”に挑んだ。火曜から金曜に移動したNHKドラマ10の第1弾「コントレール~罪と恋~」(金曜後10・00、全8回)。無差別殺人事件で夫を失ったヒロインの“禁断の恋”を描く。人々の恋愛観が変化しつつある今の時代に、大石氏が作品に込めた思いとは――。

 2010年「セカンドバージン」13年「ガラスの家」に続く同局ドラマ10の自身第3弾。鈴木京香(47)と長谷川博己(39)の大胆なラブシーンが話題を呼んだ「セカンドバージン」では2人の17歳差の愛を、「ガラスの家」では連続ドラマ初主演となった井川遥(39)が義理の息子役の斎藤工(34)と恋に落ちる姿を描いた。そうした“枷(かせ)”を脚本に盛り込む理由を「そういうもの(枷)がないと『何となくキュンとはしたけど…』ぐらいの話にしかならないので」と語る。

 今作は、無差別殺人事件で夫を失ったヒロインの文(石田ゆり子)が、犯人を取り押さえようとした際に誤って文の夫を死なせてしまった瞭司(井浦新)と偶然出会い、禁断の恋に落ちていく。タイトルの「コントレール」は“飛行機雲”の意味。文にとってはすぐに消えてしまう幸せの象徴として、瞭司にとっては人を殺めた瞬間に見た悲劇の象徴として飛行機雲が度々登場する。

 前2作と同じく衝撃的な内容のラブストーリー。なぜ、ここまで過激に恋愛を描くのか。

 大石氏は「常識や倫理の向こう側に真実はある。常識や倫理を突破しないと手に入らないような恋を描こうと思うんです。それは私の“隠れテーマ”。どんなドラマをやる時も、既成の価値観に『本当にそうなのか?』という問い掛けを作品の中に必ず込めたいと思っています」と脚本家としての信念をあらわにした。

 もともとは女優として活動。脚本家としてのスタートは比較的遅い30代半ばの時だった。脚本家デビューから約10年後の1996年、大阪を舞台に双子姉妹を描いた「ふたりっ子」が期間平均視聴率29・0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と大ヒットを記録。向田邦子賞にも輝いた。

 「チーフ監督(演出家の長沖渉氏)に『台本に元気がない。制御するところはこっちでするから、あなたはもっと自分を、もっと毒を出しなさい』と言われたんです。きれいにまとめてくる必要はないと。そこで自分を出せたのが転機になりました」と脚本家人生のターニングポイントを振り返った。

 注目されるのは、やはりラブシーン。「『セカンドバージン』は初回からキスシーンを出しましたが『ガラスの家』の時は引っ張ったんです。そうしたら、番組のホームページに『キスシーンいつてくるんだ』と視聴者の方から多くの声があって。『ガラスの家』はストイックな形でやろうと思っていたんですが、それは全く求められていないと知りました」。今回は第1話からいきなりキスシーン。「お客さまサービスとして早めに。1回目からキスシーンを持ってくるのは難しかったですけどね」と笑った。

 恋愛しない若者が増えるなど、人々の恋愛観に変化が生じてきた近年は、恋愛ドラマにとっては受難の時代かもしれない。大石氏も「今は“恋愛好きな時代”ではないと思います。傷つくことを嫌って、恋をしない人が多いような気がします」と分析。「だからこそ、ドラマの中で劇的な恋愛を体験してほしい。普通ではありえない境遇の、せっぱ詰まった崖っぷちの恋を、エンターテインメントとして胸キュンしていただければ」と視聴者に呼び掛けた。

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