【ドラマ座談会】ゆとり世代も共感の「ゆとり」ゲス不倫は事実より奇なり…

[ 2016年4月29日 12:00 ]

ドラマ「ゆとりですがなにか」に出演し、意気投合した3人(左から)柳楽優弥、岡田将生、松坂桃李(C)日本テレビ

 4月スタートのドラマがほぼ出そろった。スポニチアネックス記者が初回を見て感想を語り合う「座談会」。婚活もの、弁護士もの…。今回取り上げたのは6本。

 ――タイトルだけで、オンエア前から記者の間で注目が高かったのが宮藤官九郎脚本の「ゆとりですがなにか」(日本テレビ系・日曜後10・30)

 K記者 セリフ回し、テンポ感…。まさにクドカンワールド全開。バカバカしい展開もありつつ、ゆとりにもいろいろあるところがよく描かれていて面白い。

 N記者 「ゆとりあるある」を面白おかしく描くのかと思いきや、さにあらず。彼ら個々の悲哀を見て、この世代をひとくくりにしてきたことを反省。個人的には柳楽優弥の「おっぱい」連呼が好き。

 D記者 ゆとり世代です。「そうそう」って感じたのは岡田将生の「ゆとり感じたことなんか一度もねえよ!」ってセリフ。よく言ってくれた!って思ったのは僕だけじゃないはず。ゆとりを感じたエピソードなんか全然ないですし(笑い)。

 S記者 柳楽の東大目指して11浪中の客引きや吉田鋼太郎のレンタルおじさんといい、人物設定は笑わせてくれる。ただ、好き嫌いがはっきりする作品。日曜の夜10時半放映というのはその辺を見越してなのだろうか。

 ――愛人とともに妻の殺害を企てる「僕のヤバイ妻」(フジテレビ系、火曜後10・00)はどう?

 K 愛人の存在も知っていながら献身的に夫を支える妻の復讐劇。“ヤバイ妻”木村佳乃の表情にゾクっときた。誘拐事件を偽造した妻の目的が気になる。

 Y記者 そこなんです。木村が何考えているか分からなくて怖いし、夫役の伊藤英明がどうやって追い詰められるのか気になって仕方がない。

 N 犯人の指令で2億円の受け渡し場所が次々と変わっていく場面は映画を見ているようなスピード感があった。世間は不倫報道で盛り上がっているけど、奇怪さではこのドラマにはかなわない。

 ――人気少女漫画が原作の「お迎えデス」(日本テレビ系、土曜後9・00)。土屋太鳳や福士蒼汰ら朝ドラブレーク俳優が勢ぞろいすることでも話題に。

 Y 現世に未練を残す幽霊たちの願いを叶えさせる物語。ほんわかしていて、家族で見ることが多いこの枠っぽい内容。土屋のドSっぷりと、理屈っぽい福士がいいコンビ感を出している。

 N 霊を成仏させるために2人が奮闘。温かい気持ちで月曜を迎えるには程よい感じ。

 ――TBS系「99・9―刑事専門弁護士―」に続き「グッドパートナー 無敵の弁護士」(テレビ朝日系、木曜後9・00)も順調スタート。

 K 企業法務なので小さい企業を助けて、大企業の横暴に立ち向かうという構図だけど、初回の反訴を繰り返すという反撃の仕方がいかにもセコくて。見ていてスカッとしなかった。

 N 派手な逆転劇が爽快な王道エンタメもいいけど、私は逆にその地味な反撃が新鮮に見えた。「その手かよっ」って一本取られた感。

 D 竹野内豊演じる主人公が完璧な人間じゃないところに、親しみやすさを感じた。クズな一面を持ちながら、根っこには熱いものを秘めてる弁護士といった感じ。

 ――最後は婚活もの2本。まずは「早子先生、結婚するって本当ですか」(フジテレビ系、木曜後10・00)。

 D 意外と良かったと思ったのは主人公の妹役の川栄李奈。しっかりものの妹にうまくハマっているような。演技が自然でした。

 S 松下奈緒のショートカットはグッド。ストーリーもドタバタになり過ぎずいい。だけど、ちょっと昭和テイストかな。平成の世で34歳で結婚していなくても別に何か問題ある?って感じでしょ。女性に相手にされる展開になるかどうかだけど、実際に女性の評価は?

 K 主人公に感情移入できない。教え子に「結婚、がんばれ!」って応援される先生って…。頑張りすぎな感じで痛々しいとすら思ってしまう。裸で踊るシーンとか特に。

 N 実家暮らしの独身アラサーが何かをきっかけに婚活を意識し始める。テーマとしては既視感たっぷりなのだけど、淡々とした雰囲気が逆に幸せ探しを丁寧に描いているような。

 K 「私、結婚できないんじゃなくてしないんです」(TBS系、金曜後10・00)はテンポは良く、見やすいかな。主演の中谷美紀のコメディエンヌぶりも良い。

 Y アラフォー女性への婚活HOW TOもの。藤木直人の恋愛指南は完全に男目線で、自分が見ても「そうだよなあ」と。個人的にはスパルタ演出はもっと過剰でいいと思ったが。

 N 一応未婚なもので。何かの役に立つかと藤木の言葉を参考書替わりに聞いていたけど、そのスパルタぶりに付いていけず。後は中谷さんを応援しようと思います。

 K 中谷の藤木の掛け合いは小気味良いのだけど。藤木のマスターっぷりが鼻につく。初回の藤木の蕎麦に関するうんちく。ああいう店長がそもそも嫌いです、私。

 【座談会出席者】D記者=20代男性、ゆとり世代。Y記者=30代男性、松坂世代。K記者=40代女性、団塊ジュニア世代。N記者=40代女性、伊藤みどり世代。S記者=40代男性、角川映画世代。

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