プリプリ3億超寄付ライブハウスこけら落とし公演 18曲熱唱

[ 2016年3月12日 05:30 ]

完成した仙台PITをバックに笑顔の「プリンセス プリンセス」。左から今野登茂子、富田京子、岸谷香、中山加奈子、渡辺敦子

 女性バンド「プリンセス プリンセス」が集めた義援金、約3億1000万円などで建設されたライブハウス「チームスマイル・仙台PIT」が11日、仙台市にオープンし、同バンドがこけら落とし公演を行った。

 総立ちの1200人に迎えられたメンバー5人は冒頭、犠牲者に30秒間黙とうをささげた。アンコールではリーダーでベースの渡辺敦子(51)が「仙台PITは目に見える形として残るけど、目に見えない復興も必要。震災を風化させてはいけない」とあいさつし、大きな拍手を浴びた。

 公演はヒットナンバーの「19 GROWING UP」で幕開けし、約2時間のステージで全18曲を披露。汗だくで声を張り上げたボーカルの岸谷香(49)は「音楽の力は凄く大きい。音楽は奇跡を起こすことを教えてくれた。そんな曲を最後にみんなと大合唱したい」と呼びかけ、代表曲「Diamonds」で締めくくった。

 声援を送った仙台市在住の主婦大友庸子さん(45)は「大きな会場だけどステージとの距離は近くに感じた。粋な寄付をしてくれてプリプリに感謝したい」と話した。ライブハウスの「Zepp Sendai」が12年に閉館しただけに、名取市の会社役員佐々木洋さん(39)は「Zeppに代わる大きなライブハウスができて、街が音楽で活性化すると思う」と喜んだ。

 仙台PITができたのは、仙台市最大の仮設住宅があった太白(たいはく)区あすと長町。奥山恵美子市長は「仙台の被災地を象徴するような土地に、明日に向かっての希望を引き出すような場ができた」と感謝。岸谷は「人の思いが形になるってことは人生の中でなかなか実感できることじゃない」とうれしそうに話した。

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