今年初めて武道館を踏んだアーティスト キーワードは「アニメ」

[ 2015年12月30日 12:30 ]

15年11月に初の日本武道館公演を行った藍井エイル

 音楽の聖地であり、多くのミュージシャンにとって目標ともされる日本武道館。今年も多くのアーティストがその舞台に上ったが、顔ぶれを見てみると、ある共通点が浮かび上がった。

 その共通点とは「アニメ」。May J.(27)は言わずと知れたディズニー映画「アナと雪の女王」の「Let It Go」で大ブレーク。OLDCODEXは声優・鈴木達央(32)が結成したバンド。アニメ「空の境界」主題歌を制作するために立ち上げられた「Kalafina」、声優の花澤香菜(26)らが聖地を踏んでいる。

 さらに「UNISON SQUARE GARDEN」は「TIGER&BUNNY」のオープニングテーマ、「グッドモーニングアメリカ」は「ドラゴンボール改」のエンディングテーマと、それぞれアニメとのタイアップがブレークする転機となったバンドだ。藍井エイル(年齢非公表)もアニソン界で注目を集め、人気が高まっていった。

 こうした現状をアニメ制作会社の関係者はこう語る。

 「普通の楽曲がなかなか売れない時代だけれど、アニメは固定ファンが強い。歌を買うのもライブへ行くのもグッズ化している。もちろん歌を聴きたいというファンもいるが、人気声優には固定客がいるので、武道館でも埋められると思う。主催者側も固定客がいると分かっているので読みやすい。ある程度、堅いビジネスが成り立つんだろうな、と」

 さらにアニメから楽曲、楽曲からアニメという相乗効果もあるという。「アニメの視聴人口も増えている。歌が好きというところから入ってアニメを見るという流れもあるし、その逆もある。楽曲、アーティストのおかげでアニメを見る層が広がるというケースもある」

 初武道館アーティストという枠組みからは外れるが、人気アニメ「ラブライブ!」の声優9人組ユニット「μ’s(ミューズ)」が大みそかのNHK紅白歌合戦に初出場。来春には東京ドーム公演を行うが、アニメ発のユニットが音楽業界で大旋風を起こしている最たる例だ。アニメブームが勢いを増しているだけに、2016年も音楽業界で存在感を発揮し続けることだろう。

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2015年12月30日のニュース