原節子さん死去 ゆかりの鎌倉で悼む声 出演映画チケット「売り切れてしまうと」

[ 2015年11月26日 12:15 ]

原節子さんの出演作を上映中の映画館「東劇」に設置された献花台

 原節子さんが住んでいた神奈川県鎌倉市では、死去の報から一夜明けた26日、昭和の大女優を悼む声が聞かれた。

 鎌倉市川喜多映画記念館では、原さんが数々の映画作品に出演した小津安二郎監督に関する特別展を開催中。26日朝にインターネットで死去のニュースを見たという同市の会社役員北原尚さん(63)は、来月同館で上映される映画「東京物語」のチケットを買いに来た。「売り切れてしまうと思って慌てて来た。優雅で美しい姿が印象に残っている」と話した。

 堺市西区の男性会社員(52)は「ニュースで知り驚いた。仕事で鎌倉に来たので寄ってみた。日本人離れした目鼻立ちが印象的だった。昭和の大スターで、神秘に包まれている人だった」と振り返った。

 東京物語のチケットに関する問い合わせは26日午前、同館に数件入った。学芸員増谷文良さん(37)は「おととしから昨年にかけて開催した原さんの特別展には多くの客が入り、人気を実感した。鎌倉にゆかりのある映画人なので、今後も魅力を伝えなくては、と気持ちを新たにしている」と話した。

 小津監督が眠る円覚寺では、旅行中の沖縄県宜野湾市の無職崎山国重さん(67)が「数十年来の原さんのファン。消息を気にしていたのでニュースを見てびっくりした。小津監督の墓参りに何度も来ているが、今日はあらためて原さんの素晴らしさを引き出してくれた監督にお礼を言った」と残念そうに話した。

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2015年11月26日のニュース