吉本興業、洋画の配給に進出 第1弾「マクベス」来年初夏公開

[ 2015年10月17日 08:00 ]

吉本興業が配給する「マクベス」(C)2015/STUDIOCANAL S.A.ーChannel Four Television Corporation2015

 京都国際映画祭を手掛ける“笑いの老舗”吉本興業が初めて洋画の配給に乗り出すことが16日、分かった。第1弾は来年初夏公開の映画「マクベス」(監督ジャスティン・カーゼル)で全国での上映を予定。吉本は今後、海外からの買い付けを進めて配給し、本格的に映画界に進出する。

 同作は、四大悲劇の一つとしても有名なウィリアム・シェークスピアの戯曲「マクベス」を基に、欲望と野心に魅入られた戦士マクベスの破滅する姿を描く。今年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門のクロージング作品で、上映後に10分間のスタンディングオベーションが起こるなど高評価を得た。主演のマイケル・ファスベンダー(38)はブラッド・ピット製作の映画「それでも夜は明ける」(14年)でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされるなど話題の俳優だ。

 今回の海外映画の配給は、ワーナーエンターテイメントジャパン元CEOのウィリアム・アイアトン氏のアイアトン・エンタテインメント株式会社と吉本が業務提携したことにより実現した。ワーナー在籍時に手掛けた「るろうに剣心」3部作が合計100億円以上の興行収入となった“ヒット仕掛け人”でもあるアイアトン氏は「マクベスを皮切りに我が社は上質なコンテンツの配給や製作を国内外で行っていきます。急速に変わりゆく市場の中で課題は山積みですが、日本と海外をつなげ、世界規模に事業を展開していき、人の心に届くエンターテインメントを目指します」としている。

 1912年(明45)に創業した吉本103年の歴史の中で映画との関わりは深く、戦前から映画館の経営や製作に携わってきた。07年には松本人志監督の「大日本人」がヒット。沖縄国際映画祭も手掛けている。将来的には配給だけでなく、海外のメジャー作品への投資なども考えられる。吉本印の作品をメガヒットさせて“YOSHIMOTO”の名前を世界に広げる。

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