松野明美氏 ダウン症の次男に教えられた「素晴らしい人生」

[ 2015年7月31日 22:53 ]

松野明美氏

 元マラソンランナーでタレントの熊本県議・松野明美氏(47)が31日放送のTBS系「中居正広の金曜日のスマたちへ」(後9・00)に出演。ダウン症の子を持つ母親としての思い、そして政治家として成すべきことなどを力強く語った。

 08年に当時4歳の次男がダウン症であることを公表した松野氏。それまでは長男と違い、成長の遅いことをなかなか理解できなかったという。世間の目を気にして外に出せず家に閉じ込めてしまう日々。「自分の明るいイメージが崩れてしまう、無くなってしまうような気がして」。明るいキャラクターで知られた松野氏にとって、苦しんでいる姿を世間に見せることはできなかった。

 そんな松野氏を変えたのが、友人に勧められて行った支援サービス施設での体験だった。他の子供たちと楽しそうに遊ぶ姿に「外に出て行った時の、新しいものを見た時の目の輝きとか、あのキラキラした瞳を見ると、何でも見せてあげないといけないなと。子供に失礼だなと気づかされた」。

 競技を通じ人生は勝ってこそ意味があると考えてきた松野氏だが、ダウン症の次男に人生は競争ではないと教えてもらったという。「マラソンに例えると、どんなに時間がかかっても笑顔でゴールで待っていられるような母親でありたいなと思う。早かろうが遅かろうが本当に関係ないんだな、素晴らしい、いい人生なんだなと気づかされましたね」。

 そんな中、福祉関係者から地元の熊本市議選出馬を打診された。障害を持っていても前を向いてほしい、その歩みを助ける国にしたいという思いから政界進出を決意。そして市議を経て、今年4月からは県議へと舞台を移し、新たなスタートを切った。 

 「次男が障害があって生まれましたから、息子たちが大人になった時に自立して、自分の足で歩いて行けるような、生きていけるような社会になったらいいと思う。そういう部分を精一杯訴えていきたい」。そう言葉に力を込めた。

 松野氏は88年のソウル五輪陸上女子1万メートル代表で、後にマラソンでも活躍。引退後はタレント活動などを経て2010年の熊本市議増員選挙で初当選。2期を務め今年4月の統一地方選・熊本県議選で初当選を果たした。

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2015年7月31日のニュース